1 November 2012 vol.1374
ロンドン東部グリニッジ地区にある森林公園オクスリアス・ウッド(Oxleas Wood)に出掛けてきました。ここがロンドン市内であるということがいまだにどうしても信じられないのですが、落葉性の木々が生い茂る鬱蒼(うっそう)とした深い森なのです。ほかに人もあまり見かけないような場所で、ちょっと奥に入っただけで、樹海で迷ったかのような強烈な不安を感じました。恐々とした気持ちで、8000年の歴史を残すというこの大自然の中を通り抜けると、ロンドン市内全体が見渡せる小高い丘の上へとたどり着きます。深い森の中を抜けた後に、突如として広がったあの景色には神々しささえ覚えたほど。素敵な散歩道でした。(籠)
シャーロック・ホームズを現代に蘇らせたBBCドラマ「シャーロック」で、シャーロックの兄にして政府高官のマイクロフトとして、ポッシュなねちねち演技を見せるマーク・ゲイティスが出演する芝居「55 Days」を観劇。17世紀半ば、国王チャールズ1世側とクロムウェル率いる議会側の対立を描いたこの歴史劇、登場人物は皆、現代風の衣装なのに、ゲイティス演じる国王だけが長髪巻き毛にレースふりふり白タイツ。演技はまさにマイクロフトなのに、このレトロ設定にピタリとはまるのが皮肉です。数百年前から変わらぬ英国スノッブたち。さすがは某政治家が警官に「平民が!」と言ってしまう国であります。(月)
夜寝ていたら、どこか遠くで花火のような、爆竹のような何かが弾ける音が聞こえました。それで自動的に連想したのは、雨に濡れて舗道に張り付く落ち葉です。どうも「花火=ガイ・フォークス=11月=落ち葉」という図式が、既に自分の頭の中にしっかりと組み込まれているようなのです。花火は夏のものだとずっと思っていたはずなのに、いつの間にそのイメージがすり替わってしまったのでしょう。思考パターンというのは、環境に応じて知らないうちに次第に変化していくもののようです。「どうせ降ったり止んだりなのだから」という変な理由で傘を差さなくなるのも、こうした変化の一種なのかもしれません。(徒)
英国ニュースダイジェストに4年間勤めてきましたが、10月をもちまして退職させていただくことになりました。これまでダイジェストにおける様々なお仕事を通してお知り合いになることができた皆様には、いつも温かく接していただいたことへの感謝の気持ちでいっぱいです。つらいこともたくさんありましたが、皆様の励ましにより、ここまで来ることができました。本当にありがとうございます。これからは趣味であるお菓子作りを極めるべく、パリへと修行に行って参ります。その後はまたロンドンに戻ってきますので、そのときはまた再び皆様にお会いできることを心から楽しみにしています。それではまた!(犬)