(ロンドン 10月3日 時事)英中部マンチェスターのシナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)付近で2日、男が車で群衆に突っ込んだ後、刃物で人を襲い死傷させたテロ事件で、警察は容疑者の男が35歳のシリア系英国人だったと発表した。男は現場で警官に射殺された。また、事件に関連して男2人と女1人が拘束された。
英メディアによると、射殺されたのはシリア系英国人ジハード・アルシャミー容疑者。事件では刃物で刺されるなどして2人が死亡し、3人が重傷を負って病院に運ばれた。警察当局はテロ事件としているが、詳しい動機は不明。政府のテロ対策プログラムに容疑者の名前はなかったという。
事件が起きた2日はユダヤ教で最も神聖とされる「贖罪(しょくざい)の日(ヨム・キプール)」の祝日で、礼拝所には多くのユダヤ人が集まっていた。スターマー首相は予定を切り上げて訪問先のデンマークから帰国。英国で「憎悪が再び高まっている」と危機感を訴え、打ち負かす必要性を強調した。
イスラエルがパレスチナ自治区ガザで軍事作戦を続け、人道危機が深刻化していることから、欧州では「反ユダヤ感情」が広がっている。
Fri, 03 October 2025