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Mon, 23 December 2024

知って楽しい建築ウンチク
藍谷鋼一郎

補欠選挙における英国独立党(UKIP)の躍進

The Times
「タイムズ」紙 10月11日

抗議票以上の意味合いがある

UKIPの躍進には、中長期的な抗議票が集まったという以上の意味合いがあることはもはや明らかだ。今回行われた2つの補欠選挙を通じて、短期間で主要政党ができることなどほとんどないという真実が浮かび上がった。主要政党は公約を破ってばかりであるというUKIPの非難が支持を集めたのだから、主要政党が何かをしようとすれば、事態を悪化させるだけだ。荒廃した地域や将来が決して明るくない人々の問題は、長期的な行動によってのみ対処し得るのである。


The Daily Telegraph
「デーリー・テレグラフ」紙 10月10日

典型的なUKIP支持者以外も支持

UKIPが勝利を収めた選挙区であるエセックス地域の海辺の街クラクトンには、怒りに満ちた高齢で労働者階級の有権者が集中している。彼らは、長年支持してきた政党だけでなく、現代社会から見捨てられたと感じているのだ。さらにカーズウェル元保守党議員の個人的な人気を鑑みれば、保守党の戦略家たちが十分に戦い抜ける状況ではなかったことは容易に理解できる。今回の大勝は、UKIPは同党の典型的な支持者たち以外からも支持を集めていることを証明したのだ。


The Observer
「オブザーバー」紙 10月12日

反移民と反EUは総選挙のテーマに

今回のような劇的な展開が、来年5月の総選挙でも繰り返されるとは考えにくい。UKIPが獲得を望めるのは、せいぜい数議席だろう。ただ議席数からは、国家の政治的議論に与える同党の影響力は見えてこない。その大衆主義的なイメージの背後にある反移民や反欧州といった概念は、総選挙に向けた議論で中心的なテーマとなるはずだ。主要政党が説得力のある建設的な見通しを示していないから、政治不信をレトリックに使う人々に好機を与えてしまっている。


 

藍谷鋼一郎:九州大学大学院特任准教授、建築家。1968年徳島県生まれ。九州大学卒、バージニア工科大学大学院修了。ボストンのTDG, Skidmore, Owings & Merrill, LLP(SOM)のサンフランシスコ事務所及びロンドン事務所で勤務後、13年ぶりに日本に帰国。写真撮影を趣味とし、世界中の街や建築物を記録し、新聞・雑誌に寄稿している。
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