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Tue, 19 November 2024

Theatre Of Blood / シェークスピア連続殺人!! 血と復讐の舞台

映画の舞台裏を捜査する!特捜シネマ刑事
第62回

Theatre Of Blood(1973 / 英)
シェークスピア連続殺人!! 血と復讐の舞台

シェークスピア劇のシーンを真似た、残忍な連続殺人事件が発生。被害者はみな英国演劇界の批評家で……。ベテラン俳優が一堂に会するカルト・スリラー。

今週のロケ地
Yoshihiro kogure

監督 Douglas Hickox
出演 Vincent Price, Diana Rigg, Robert Morleyほか
ロケ地 Peninsula Heights
アクセス 地下鉄Vauxhall駅から徒歩

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  • 今回は70年代のカルト作品でございます。しかもデカ長好みの、ブラック・ジョークが効いたスリラーですよ。
  • 待ってました、一部の物好きに贈る捜査報告! しかしこれに食いつく人は一体、何人いるのやら、だな。
  • まあ好みは人それぞれということで。しかしこの映画の面白いところと言いますか、英国的な部分は、やはりシェークスピア劇が絡んでいるという点です。
  • こういうB級映画に古典を挟んでくるっていうところが、またいいんだな。
  • しかも本作には、その「一部の物好き」にとっては見逃せない要素がもう一つ。それは、戦後のホラー映画黄金期を築いたとも言われるビンセント・プライスが主役を務めているということです。彼は米国人ですが、フランケンシュタイン・シリーズや吸血鬼シリーズで名を馳せた英国人俳優のピーター・カッシング、クリストファー・リーと並んで、世界的な怪奇映画スターと称されているんですね。
  • そんなカリスマちっくなビンセント・プライスが「個人的に気に入っている出演作」に挙げている作品でもあるのだよ。
  • 「シェークスピア劇を演じられたのもうれしかった。自分は米国人だからそんな機会はないものだと思ってたよ」なんて発言もしてますね。
  • といっても、邪道なシェークスピア劇だけどな(笑)。
  • そう、本作の主人公、ビンセント・プライス扮するエドワード・ライオンハートは、シェークスピア劇にのみ出演する俳優という設定です。しかし批評家たちから酷評され、自分に授与されるものだとばかり思っていた演劇賞を若手俳優に奪われたことにひどく傷つき、批評家たちの目の前でテムズ河に入水自殺してしまうのです。正確には、批評家連中の代表格、イアン・ヘンドリー扮するデブリンが住むゴージャスな高層フラットのベランダから飛び降りるわけですが。こちらロンドンはランベス地区の「Peninsula Heights」で撮られてますね。悪名高き作家のジェフリー・アーチャーの家として知られている建物です。
  • 話を元に戻しますが、ライオンハートは実は一命をとりとめており、後日、復讐の鬼となって蘇ります。演劇界の批評家たちが、一人、二人と殺されていく……それも、シェークスピア劇の場面に着想を得たシチュエーション殺人です。
  • 一番最初は「ジュリアス・シーザー」だったな。
  • はい。冒頭のシーン、最初の被害者が住む家はHammersmith Bridge Road沿いの「Digby Mansions」が使われてますね。
  • その後、「トロイラスとクレシダ」「シンベリン」「ベニスの商人」「リチャード三世」「オセロ」「ヘンリー六世・第一部」「タイタス・アンドロニカス」の場面を模した事件が起こるんだな。個人的に一番ギョッとしたのは「シンベリン」かなあ。朝起きて生首はちょっとなあ。
  • あれは怖かったですねぇ。でも「トロイラス〜」の馬での引きずり刑もけっこうキビシイっす……。あの墓地はKensal Green駅近く、Harrow Roadに面した「Kensal Green Cemetery」ですけれども。
  • 「ヘンリー六世」のジャンヌ・ダルクに見立てたヘア・サロンでの一幕もねぇ。「Harrods」向かいのあのサロンは、当時本当に存在したんですよ。本作で客寄せ効果はまず望めなかったと思いますが(笑)。

デカ長、物申す
ビンセント・プライスは、なんとあのマイケル・ジャクソンの代表曲「スリラー」でナレーションを担当したお人でもあるのだぞ。あの曲の最後に流れる不気味な高笑いも彼なのだ! ティム・バートン監督もプライスの熱烈なファンの一人として知られていて「シザーハンズ」に発明家の役で出演してもらってるんだよね。しかもこれが、実写映画としては彼の遺作になったんだな。

 

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