第10回 名前あれこれ
驚きの性別確認後、それまで「she」だった赤ちゃんの人称代名詞は「he」になり、ニックネームも、ビー(Bea)ちゃんからビーン(Bean)君へと置き換わった。そして具体的に考え始めたのが名前。一生ついてまわるものだし、人格が名前に影響される部分ってあるよね。私の名前も、ティーン時代のクラスの人気者みたく「ユウカ」とか「ミホ」だったら、人生違っていたかもしれないと、少し思う。
名付けに関して、私たちは4つの条件を挙げた。
1)宗教的要素が濃くない
2)日英両国で発音されやすい
3)ムリなく漢字が宛てられる
4)特別珍しくもありふれてもいない
画数にこだわらなければ、3は意外に簡単だったりする。心人と書いて「はあと」と読ませた芸能人がいるくらいだしね。
一昔前、義理の両親の世代(1950年代生まれ)は、親や祖父母と同じ名前をもらうことが多かったそうだ。最近の英国人の名付け方は、イメージ任せという気がする。よく聞くのが、「生まれたての顔を見て、この子は○○だ!とひらめいた」という話。また、「候補に挙がったうち、嫌いな知人とかぶる名前を消していったら、結局△△が残った」という消去法もよくあるそうだ。
名字とのバランスも大切。例えば、お尻を意味する「A.S.S.」など、のちにからかいの種になりそうな頭文字の組み合わせは避けるといった配慮も必要だ。
ちなみに、2012年の人気名前ランキングでは、ジャック君とソフィーちゃんがトップだそう。夫は「同年代でジャックという知人はいないよ」と言うけれど、今の小学校はジャック君で溢れているのだろう。
便利なのは日英共通の名前だけれど、男の子の場合、パターンが少なめだ。長男にジョージ(じょうじ)君と名付けた友達は、「日英ハーフのジョージ君、他に3人知ってる」と言っていた。
名前がどうしても決まらなかったら、このまま「Bean」にしちゃおうか、と冗談混じりで夫と話し合っている。Mr. Bean は英国人だしね……ってちょっと違うけど、漢字にすると「美音」、ン? かっこいいかも?