第24回 ルーティーン育児
夜泣き……それは世界中の新米ママを睡眠不足に陥れている、張本人。ふらふらになりながらも、ママたちは「夜泣きを憎んで、赤ちゃんを憎まず」の心得でひたすら耐え忍んでいるのだ。そんな中、英国でよく耳にする言葉が、「ルーティーン」。直訳で「決められた手順」などの意味だが、毎日、決まった時間と方法で、一定の動作(主に睡眠、授乳)をさせることによって、赤ちゃんに早いうちから規則的な生活リズムを身につけさせようというのだ。
ルーティーンが重要視される背景には、夜泣きをなくして親の労力を軽減する目的のほかに、一定の時間帯で同じ動作を繰り返すことで、赤ちゃんは自分のすべきことが随時予測できるようになり安心できる、という論理があるようだ。
妊娠中の私に「赤ちゃんが生まれたら、何らかのルーティーンは絶対に必要よ」とアドバイスした義姉の息子は、生後3カ月あたりからルーティーンを守るようトレーニングされたおかげで、2歳になる今まで、夜7時から朝7時まで夜通し寝るという、睡眠優等生ぶりを示している。
国民保険サービス(NHS)では基本的に「feed on demand(赤ちゃんが欲しているときに授乳する)」方針を唱っているし、特にルーティーンを勧めている訳ではないのだが、巷では、ルーティーンを推奨する本がたくさんある。
日本にいる子育て中の友人にこの話をしたら、「睡眠や授乳の時間を、勝手に親が決めていいの?」と驚いていた。やはり日本では、赤ちゃんが寝たい時に寝かせ、母乳を欲した時に飲ませる自然育児が主流らしい。
我が家では今のところ、夜は2回ほど起きるし、かなり自然流でやっているのだが、1つだけ習慣付けていることがある。それは、就寝のときにいつも同じぬいぐるみを持たせ、これまたいつも同じ子守唄のCDをかけること。「いつも同じ」という点がポイントだ。今のところ、これが功を奏し、ぬいぐるみを持たせると眠り信号をキャッチしたかのように、眠る体勢に入ってくれる。英国流でも日本流でもない、自己流の育児を模索中だ。