「木村正人のロンドンでつぶやいたろう ライブ」第1回講演が実施
スコットランド独立問題の総括と今後の行方
2014年11月26日、ロンドンの金融街シティにある国際保険ブローカーWillisのオフィスにてWillis、Lloyds Banking Group、Reynolds Porter Chamberlain LLP主催のビジネス・セミナーが開催された。在英ジャーナリスト木村正人氏がメイン・パーソナリティーを務める全4回シリーズの第1回となる今回のテーマは、「スコットランド独立問題の総括と今後の行方」。在エディンバラ日本国総領事館総領事、北岡元氏を特別ゲストに迎え、今年9月に実施されたスコットランド独立の是非をめぐる住民投票についての講演が行われ、集まった130人以上もの参加者たちは、英国の今後にも大きな影響を及ぼす同問題を多角的に論じるスピーチに耳を傾けた。
2007年7月に産経新聞ロンドン支局の支局長として来英した直後に、スコットランドで開催された全英オープンゴルフの取材のため同地に赴いたという木村氏。横殴りの雨と強風にさらされ、「一日のうちに四季がある」と言われるスコットランドの厳しい自然の中でプレーする選手たちの姿を追ううちに、同地では「人間の強さを試される」と実感したというエピソードを披露した。
その後は、スコットランド独立問題を総括し、今後の行方を予想する北岡氏によるスピーチが行われた。複雑な過去を持つスコットランドの歴史的背景に触れた後、住民投票に至るまでの過程や、投票が行われた当日の現地の様子、そして英国残留が決まり、今後スコットランドや英国全体がどのように変わっていくのか、2015年の総選挙や翌16年のスコットランド総選挙、17年末までに行われる英国の欧州連合(EU)脱退の是非を問う国民投票の展望までを見据えた内容に、会場では何度もうなずきながら熱心にメモを取る姿が見られた。
北岡氏によるスピーチの後には、木村、北岡両氏によるディスカッション及び参加者とのQ&Aが。スコットランド同様、連合王国の一部であるウェールズや北アイルランドについて尋ねられた木村氏が、北アイルランドにも独立への意思はあるものの、経済力がついてこないなどと自説を展開する場面もあった。
住民投票により英国残留が決定した後、英国各紙ではスコットランドについて報じる記事が減ったが、その一方で同地への権限移譲をめぐる話し合いは現在も行われており、他地域への影響も大きい。今後の国のあり方を大きく左右するスコットランド独立問題の影響力の大きさを改めて実感する貴重なひとときとなった。
ビジネスセミナー第2回のお知らせ
「マクロ経済・金融市場の動向分析と投資市場トレンドと信託を活用した英国での相続税対策」
木村正人のロンドンでつぶやいたろうライブ
2015年1月29日(木) 17:30-20:30
全4回シリーズセミナー 第2回
講演は英語で行われますが、その後に木村氏、そして参加者の皆様に日本語と英語の両方で質疑応答、ディスカッションしていただく予定です。
スピーカー:
• ロイズ銀行投資戦略部門責任者 アシシュ・ミスラ氏
• ロイズ・トラスト・カンパニー(チャンネル諸島)ウェルス・ストラクチャリング部門責任者 グラハム・マーシュ氏
• ジャーナリスト 木村 正人氏
開催場所:The Willis Building, 51 Lime Street, London EC3M 7DQ
主催:Willis / Lloyds Banking Group / Reynolds Porter Chamberlain LLP
セミナーに関する詳細、お問い合わせ:
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