「木村正人のロンドンでつぶやいたろう ライブ」第2回講演が開催
マクロ経済・金融市場の動向分析と
信託を活用した英国での相続税対策
独特の穏やかな語り口で
世界経済の展望について語る木村氏
1月29日、ロンドンの金融街シティにある国際保険ブローカーWillisのオフィスにてWillis、Lloyds Banking Group、Reynolds Porter Chamberlain LLP主催のビジネス・セミナーが開催された。在英ジャーナリストの木村正人氏がメイン・パーソナリティーを務める全4回シリーズの第2回となる今回のテーマは、「マクロ経済・金融市場の動向分析と投資市場トレンドと信託を活用した英国での相続税対策」。国際金融の中心地であるシティに日々蓄積されている情報の一端に触れることができる貴重な機会となった。
まずロイズ銀行投資戦略部門の責任者を務めるアシシュ・ミスラ氏が、マクロ経済・金融市場の動向分析と投資市場トレンドについて説明。銅を始めとする鉱物、国債、通貨、株の価格変動といった具体例を挙げながら、世界経済がどのように動いているかについて述べた。
続いて、欧州経済の歴史から共通通貨ユーロの展望までを包括的に論じた新書「EU崩壊」の著者でもあるメイン・パーソナリティーの木村氏が、マクロ経済に今後影響を与え得る要素として、欧州連合(EU)の緊縮政策に反対を示すギリシャ新政権の誕生について言及。またセミナー参加者からは、円-ポンド間の為替レートの予測などについての質問が寄せられた。
ロイズ・トラスト・カンパニーのグラハム・マーシュ氏
次にロイズ・トラスト・カンパニー(チャンネル諸島)ウェルス・ストラクチャリング部門の責任者であるグラハム・マーシュ氏が、信託を活用した英国での相続税対策について解説。最前列に座ったセミナー参加者に現金を預けるパフォーマンスを見せながら信託の基本的な仕組みを説明した上で、資産の保護や相続税の軽減といった利点について話した。
このテーマにおいて木村氏は、独特の穏やかな語り口を通じて、政府税制調査会の会長を務めた近畿大学の本間正明教授とかつて「税金考」という著書を執筆したころの思い出を披露。バブル経済が既に崩壊していたにも関わらず、相続税収が上昇していった1990年代前半の様子を振り返った。また高度成長期と同じようには給与が上昇していく見込みのない現在の経済状況において、目減りしていく資産をどのように管理していくかが多くの日本人にとって今後の課題になると述べるなど、生活に密着した視点から自身の見解を述べた。
マクロ経済・金融市場の動向と信託の活用法といった専門的な分野についてそれぞれの専門家が概要を説明し、木村氏が日々のニュースと結び付けながら各テーマについて噛み砕いて語ることで補足するという形式のセミナーは、初心者にとっても非常に分かりやすい内容だった。本ビジネス・セミナーの第3回は、3月10日に開催される。
ビジネスセミナー第3回のお知らせ
「英国におけるインフラ再整備事業が
日系企業にもたらすビジネス・チャンスとは」
木村正人のロンドンでつぶやいたろうライブ
2015年3月10日(火) 17:30-20:30
全4回シリーズセミナー 第3回
開催場所:The Willis Building, 51 Lime Street,
London EC3M 7DQ
主催:Willis / Lloyds Banking Group / Reynolds Porter Chamberlain LLP
セミナーに関する詳細、お問い合わせ:
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