「ビカー・オブ・ディブリー」のドーン・フレンチを20歳若くしたようなオカッパ頭の巨体で注目を集めるベス・ディットー（25）。

音楽専門誌「NME」がイチ押しする米出身3ピース・バンド、ゴシップのフロントを務める彼女だが、今年のNMEアワード・ライブではジャービス・コッカーと極細×極太デュエット共演。銀のミニ・タイトに化粧回しと見紛う黒太ベルト姿で、ビブラートとシャウトの効いたソウルフル& パンクなボーカルを披露して場内を沸かせた。同じデブでもW(ダブル)七光りのケリー・オズボーンや、ダイエット・タレントに転落したミッシェル・マクマナスとは次元が違う。ちなみに、ベスのステージ衣装は黒ビキニにピンク・タイツ、蛍光青のキャットスーツ、タータン柄ワンピに揃いのブラと、体型を全く気にしないボディコン系。

幼い頃からレズビアンであると自覚し、生まれ育った田舎町アーカンソーを高校卒業と同時に飛び出した彼女。フェミニズムが盛んなワシントンのオリンピアで幼馴染みらとバンドを結成して6年目の昨年、3作目「Ｓtanding In The Way Of Control」でブレイクした。歌、ルックス、肥満を逆手に取るウィットが無比の個性となってカッコよく見えるから不思議だ。

現に「インディペンデント」紙から「地上で最もクールな女性」、隔週で悩み相談のコラムを始めた「ガーディアン」紙からは「フェミニストで異端者、ロック界で最もクールな女性」と評され、「NME」誌では、ケイト・モスと最もセクシーな女性部門を争った。

南海キャンディーズのしずちゃん、森三中、そしてベスと3例しか思い浮かばないが、デブ&ブス時代の到来と見るのはちと強引か。