インタビュー嫌いの蒐集家
妻はTVシェフ、ナイジェラ
大手広告代理店「サーチ・アンド・サーチ」の創業者で、90年代にダミアン・ハーストやトレイシー・エミンらを世に出した現代アート専門美術館「サーチ・ギャラリー」を開いた美術蒐集家、チャールズ・サーチ(66)。公の場やインタビューを極端に嫌う彼が(クライアントに会いたくなくて、社内を逃げ回ったというエピソードもある)、3月に出した本「チャールズ・サーチ: クエスチョン」が面白い。一般人やジャーナリスト、美術評論家からの、彼の人生観についての様々な質問に答えたもので、ここにいくつか紹介したい。
「お気に入りのブランドは?」に、「どんなデザイナーの服も、自分の内面の素晴らしさを邪魔するって感じる自己マンのナルシストっているだろ。それが僕。服の買い物が嫌いで、試着した自分のひどい姿を鏡で見ることは極力避けたい。だから数年に一度、セルフリッジで全く同じ黒のスーツ10着、白のシャツ20着、黒の靴10足を買う。予備のことを考えずに済むだろ」。潔く粋だ。また、英王室に招かれたときの食事を聞かれ、繊細な飾り付けの小食向ヌーベルキュイジーヌだったことから、「当然、帰りにマクドナルドに寄った」と、チクっ。「子どもをお坊ちゃま校に行かせているか?」には、「子どもの1人が行った最初の学校がとってもポッシュだった。先生がクラスで『モハメッドは誰か』と質問したら、中の1人が、『僕のお抱え運転手』」。上手くかわしている。
極めつけ、「お気に入りのサイトは?」に「今日、自分のツイッターを見つけた。ちょっとした考えを「僕」がツイッターしていて、229人のフォロワーがいる。誰だか知らないが、代わりにしてくれて感謝する」だと。あまのじゃくで複雑。