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Sun, 22 December 2024

豪華客船で往く旅の愉しみ豪華客船で往く旅の愉しみ
豪華客船で往く旅の愉しみ

旅の魅力は目的地だけでなく、その行程にこそある
――かつて世界の海を制した英国の豪華客船の歴史と伝統を今に残す
キュナード社のクルーズでは、停泊地での観光以上に、
洋上で過ごす時間こそが何より強い輝きを放つ。
自分のこれまでの日常を振り返り、人生における喜びに思いを馳せる、
そんな一味違う船旅の体験を綴ってみたい。

キュナード社とは?

1839年創立のキュナード社は、英国政府公認の郵便事業を担う海運会社として活躍。その後、長距離旅客輸送から船旅を楽しむクルーズへと比重を移し、1922年には業界初となる世界一周クルーズを敢行するなど、クルーズ・ラインの先駆者として世界的な認知度を誇る。保有する客船には歴代女王の名前を冠することが許されており、現在はクイーン・エリザベス、クイーン・メリー2、クイーン・ヴィクトリアの3隻が就航している。

キュナード社のクルーズ客船の魅力

19世紀から20世紀にかけて特権階級に愛された豪華客船の歴史と伝統を守り続けるサービスが特徴。客室はいくつかのカテゴリーに分かれており、それぞれ専用のダイニングを利用する。また、クルーは全員、クルーズ黄金時代から受け継がれてきた伝統のサービス「ホワイトスター・サービス」を習得。正装での出迎えから毎夕のターンダウン・サービスまで、英国正統派のサービスを提供している。

今回の旅のルート

1月6日出発の「ハンブルクを訪ねるショートクルーズ 5日間」。英サウサンプトン発着、3日目朝に独ハンブルクに到着し、夕方出航。それ以外は洋上での生活を送る。このほか、地中海やエーゲ海、アドリア海の都市を回るツアーや、3~4カ月かけて世界一周するワールドクルーズもある。ワールドクルーズは一部区間のみ参加することも可能。

Q & A

Q: 費用はどのくらい掛かる?
A: 今回のルートの場合、一人249ポンド(Inside(窓なし)カテゴリー、燃料費込、2人で宿泊の場合)~

Q: 料金には何が含まれる?
A: 宿泊、専用ダイニングでの食事(朝・昼・夕)、エンターテインメント
(スパやシアターのボックス席、カジノなどは有料)など。

Q: チップは毎回払うの?
A: 設定されている金額(一日10ドル前後)を最後の精算時にまとめて支払う形。設定金額は船上で変更することも可能。

洋上に広がる別天地

2014年の年明け、イングランド南部の港町サウサンプトンへ向かうと、白く泡立つ荒波にびくともせず巨大な船がそびえ立っている。はるか頭上まで数えきれないほどの小窓が並ぶその様は、船というよりも水上に浮かぶ街のようだ。これから、エリザベス女王の名を冠した豪華客船クイーン・エリザベス号に乗り込み、ドイツ・ハンブルクに停泊し、再びサウサンプトンへと戻る5日間の旅に出る。

雄大に佇むクイーン・エリザベス号
雄大に佇むクイーン・エリザベス号

空港同様のセキュリティー・チェックを経て、いよいよ船内へ。白手袋をはめて正装し、胸元にバラの花を飾ったクルーたちが笑顔で出迎えてくれる。目の前には、真っ直ぐどこまでも続く廊下。軽やかに流れるハープの生演奏に耳を傾けつつ進んでいけば、3層吹き抜けになったグランド・ロビーでは、寄木細工の壁画が柔らかい光に包まれて広々とした空間を見下ろしている。カフェではコーヒー片手にのんびり談笑している人たちの姿。何を指示されるでもなく、客の一人ひとりがこの広大な空間を自由気ままに満喫している。長い道のりを経てデッキ8(8階に相当)の船尾にある最上級カテゴリー「Queens Suite」の客室の扉を開くと、目の前には一流ホテルのスイート・ルームさながらにゆったりと配置されたベッドとソファ。バスルームにはバスタブにシャワー・ルーム、そして2人が同時に悠々使える洗面台。ウェルカム・シャンパンとチョコレート、フルーツの盛り合わせに思わず口元が緩んでしまう。港で預けた荷物を、専属のアシスタント・バトラーが運んできたと思ったら、その後はメイン・バトラーが別のスタッフを連れてにこやかに挨拶に訪れる。時計の針の進み方さえゆっくりになったような別世界での日々が突然、幕を開けた。



 

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