ロンドンで開催中の車いすテニスのマスターズに今年も出場
国枝慎吾選手インタビュー
12月2日から6日までロンドン東部のクイーン・エリザベス・オリンピック・パークで開催中の車いすテニスのマスターズ「NEC Wheelchair Tennis Masters 2015」。
同大会に今年も出場し、現在世界ランキング第1位の国枝慎吾選手に話を聞いた。
1984年2月21日生まれ。9歳のときに脊髄腫瘍のため車いす生活に。パラリンピックにおいては、2004年のアテネ大会における男子ダブルス、2008年の北京大会と2012年のロンドン大会男子シングルスで金メダルを獲得。
現在、世界ランキング第1位。2009年より車いすテニスでは日本初となるプロ選手として活動している。
https://www.facebook.com/KuniedaShingo
国枝選手は現在、本大会を3連覇中です。今年の調子はいかがですか。
もちろん、身体は万全に仕上げています。この大会に照準を定めて調整してきたつもりです。
長らく王者として君臨してきた国枝選手としては、車いすテニスにおける近年の若手選手の台頭をどう受け止めていますか。
トップ10にいる選手の中では、僕も今やベテランに位置づけられるようになりました。若手選手が年々レベルアップしているとは感じます。ただ自分自身も彼ら以上に毎年レベルアップすることができている。彼らの成長以上に自分の成長があると思っています。
一方で、今年7月に行われたウィンブルドン選手権車いす部門のダブルスでは3連覇を逃しました。
テニスにおいてシングルスとダブルスは全く別物のスポーツで、僕自身はそれほどダブルスが上手い選手ではないです。そこまで驚かれる結果でもないのかな、というか。ただウィンブルドン選手権について言えば、来年から車いすテニスのシングルスも実施されるようになるので、そこに賭けたいと思っています。
芝という新しいサーフェスでの挑戦は、個々の選手のレベルを上げる機会になります。もしかすると、大会の序盤はラリーがあまり続かないということがあるかもしれない。ただ各選手は試合を重ねるごとにそれぞれの対応力を見せるはずです。
僕自身は今まで大きな目標であるグランドスラム(4大大会)で何度も優勝してきましたが、これに加えてウィンブルドン選手権という新しい目標ができたことは非常にうれしいです。
車いすテニスのマスターズ初戦でサーブを打つ国枝選手
2016年にはリオ・パラリンピックが開催されます。
今年はフォアハンドとサーブの攻撃力を上げることで十分にレベルアップし、来年に戦う土台はもうできたかなという感触を得ることができました。これからいくつもの細かい部分をブラッシュアップして、さらにレベルを上げていきたいです。
車いすテニスならではの魅力とは何でしょうか。
車いすテニスでは2バウンドまで許されている分、広角に打たれた際に健常者テニスと比較して守備範囲が広くなることがあるのかなと思います。多くの選手がベースラインよりも大分下がってプレーしますし。WOWOWが現在グランドスラムでの車いすテニスを中継していますが、カメラが追いきれていない場面が時々あると聞いています。健常者テニスの選手ならば追いかけきれない範囲まで車いすテニス選手が動くときがあるからでしょう。
NEC Wheelchair Tennis Masters 2015
12月2日(水)~6日(日)
£10~15
Lee Valley Hockey and Tennis Centre
Queen Elizabeth Olympic Park, London(屋内)
Tel: 0871 231 0847
最寄駅: Stratford
www.lta.org.uk/major-events/nec-wheelchair-tennis-masters
ダイジェスト読者割引
本誌読者に向けて、本大会より観戦チケットの割引を提供。左記ウェブサイトからチケットを購入する際にコード欄に「TF2016」と記入すれば、各チケットが5ポンドの割引に。また試合当日には、各選手がサインや写真撮影に応じてくれる機会もあり。詳細については当日に会場のスタッフまで。