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Mon, 23 December 2024

Open House London 2018 オープン・ハウス・ロンドン 2018年9月22日(土)& 23日(日)

初秋を飾るイベントとして、毎年人気の「オープン・ハウス・ロンドン」。歴史的な建造物や優れたデザイン建築の内部が一般に公開されるこのイベントは、まだ見ぬロンドンを知る貴重な機会だ。800以上の建物が参加するなか、本誌では、王立英国建築家協会(RIBA)が主催する「RIBA ロンドン・アワーズ」の受賞作、2018年に完成し、革新的なデザインでロンドンの景観を変えた建築、そして、目覚ましい活躍をする女性建築家たちによるデザインの数々を紹介する。伝統と革新を共存させながら、刻々と移り変わるロンドンの景観を再発見してみよう。(英国ニュースダイジェスト編集部)

オープン・ハウス・ロンドンって?
オープン・ハウス事務局は、ロンドンという街の魅力を市民にもっと知ってほしい、という志の下にスタートしたチャリティー団体。公式サイトでは、今年公開されている建築の基本情報が確認できるほか、印刷されたガイドブックも販売中(8. 50ポンド)。移動中に便利な無料アプリも公開している。あらかじめ予約しないと入場できない建築なども、同サイトから予約ページに飛べるようになっている。人気のある建築は早い段階で予約がいっぱいになる場合もあり。
https://openhouselondon.org.uk

RIBA ロンドン・アワーズ受賞作

王立英国建築家協会(RIBA)の主催で、毎年ロンドンの優れた建築に与えられる賞、「RIBA ロンドン・アワーズ」の受賞作品の中から、特徴ある3つの建築物を紹介する。

秘密の森への入口
Woodland Classrooms,
Belvue School
ウッドランド・クラスルームズ ベルビュー・スクール

Woodland Classrooms, Belvue School

童話の世界を彷彿とさせるような、ユニークな形の屋根が目印の木造建築。小学校のプレイグラウンドと、その外に広がる森の境界に建てられた森林学習のための校舎で、設計には同校の生徒たちの意見も取り入れたそう。生徒たちの創作した、森と学校の関係を表すストーリーをもとに作られた校舎は、秘密の森の入口に建つ重要なシンボルのような存在なのだという。

  • オープン期間: 9月23日(日)11:00-14:00
    定員30人。30分ごとに10名ずつのツアーもあり
  • Rowdell Road, Northolt, Middlesex UB5 6AG
  • Northoltt

地域に根ざして84年
Hackney Town Hall
ハックニー市庁舎

Hackney Town Hall

1934年に完成した市庁舎は、現在もハックニーのコミュニティーに利用されているが、建物は優れたアールデコ式建築の例の一つといわれ、イングランドの指定建造物(Grade II指定)にもなっている重要建築。昨年、7年にわたる大規模な改装工事が終了し、外観はオリジナル建築のまま、現代のオフィスに似合う、機能的で明るいデザインに生まれ変わった。

  • 9月23日(日)11:00-17:00
    定員20人。1時間ごとにツアーもあり
  • Mare Street E8 1EA
  • Hackney Central

オリジナル・デザインへのリスペクト
No1 New Oxford Street
ナンバー1 ニュー・オックスフォード・ストリート

No1 New Oxford Street

建設当時の1930年代、超モダンな建築がロンドンのランドマーク的存在だったコモンウェルス・ハウス。その再開発を手がけた設計事務所オームズは、元のデザインに敬意を表し、オリジナルと新しい部分を区別するのが不可能なほどに、細部まで心を砕き増改築。芸術品の修復を彷彿とさせるその職人技は、RIBAの審査員から「商業再開発で通常期待されるものをはるかに超えた」と称賛された。

  • 9月22日(土)
    定員15人。10時、11時、12時のツアー形式。事前予約が必要
  • 1 New Oxford Street WC1A 1BA
  • Holborn / Tottenham Court Road

ロンドンの新しい顔

今年完成したばかりの建築の中から、建物の規模や用途は異なるものの、それぞれに印象深く、また話題となっている人気の高い4品を紹介する。

市民に開放されたエコ建築
U.S. Embassy London
米国大使館

Hackney Town Hall

米国大使館は、今年の1月にロンドン中心部のメイフェア地区から再開発の進むロンドン南西部バタシーに移転した。新館は、太陽光や地熱などの自然エネルギーを利用するなど、省エネルギー効果の高い、最先端のエコ建築。また、池やベンチを備えたパーク・エリアは市民に開放されており、緩やかな螺旋状の歩道を進めば、館内のフロアごとに造られた、趣向を凝らしたガーデンにたどり着く仕組みだ。

  • 9月22日(土)9:45-12:00
    定員75人。事前予約と写真付きIDが必要
  • 33 Nine Elms Lane SW11 7US
  • Vauxhall / Battersea Park

イスラム文化の理解促進のために
Aga Khan Centre
アガ・カーン・センター

Aga Khan Centre

幕張メッセや青山のスパイラルなどで知られる日本建築界の重鎮、槇文彦(まきふみひこ)氏設計によるイスラム研究施設。パキスタンのアガ・カーン4世による依頼で、イスラム文化の理解促進のために建設された。内部は6メートルに及ぶアトリウム(吹き抜け)構造で隅々まで日の光が届き、屋上にはイスラム圏の様々な地域にインスパイアされたという6つの庭園がある。

  • 9月22日(土)12:00-17:00 & 23日(日)12:00-16:00
    定員30人。30分ごとのツアー形式
  • 10 Handyside Street N1C 4DN
  • King's Cross/St. Pancras

ユーザー・フレンドリーな空間
London Animal Hospital (TLAH)
ロンドン・アニマル・ホスピタル(TLAH)

London Animal Hospital

裏通りに面した古い倉庫を改造して作られた動物病院は、患者であるペットとその飼い主が、入口から出口までほかのペットと遭遇せずに治療を済ませられる画期的なデザインを採用。ロンドンの建築デザイン事務所アルマ・ナックが、55万ポンド(約7850万円)という低予算で、可能な限りユーザー・フレンドリーなものにした。「資金がなければアイデアで勝負」、の良い見本と言える。

  • 9月22日(土)& 23日(日)10:00-18:00
    定員10人。2時間ごとのツアー形式
  • 7 Kenbury Street SE5 9BS
  • Denmark Hill / Loughborough Junction

シティに出現した大胆なデザイン
Bloomberg European Headquarters
ブルームバーグ・ヨーロピアン・ヘッドクオーターズ

Bloomberg European Headquarters

シティに完成した、米大手総合情報サービス会社ブルームバーグの欧州本社。外部はシティの歴史ある街並みにマッチした重厚な造りだが、内部は2つのオフィス・スペースを橋で繋げた斬新で大胆な空間が広がる。デザインだけではなく、環境への取り組みがどれだけなされているかを調べる、英国のビルディング評価システムBREEAMで最高スコアを獲得。ほかのオフィスと比較した節水率は、70%という結果が出た。

  • 9月22日(土)10:00-17:00 & 23日(日)10:00-13:00
    定員25人。15分ごとのツアー形式。事前予約が必要
  • 3 Queen Victoria Street EC4N 4TQ
  • Bank / Canon Street

女性建築家の作品

英国では、女性参政権獲得から100周年や、#MeToo 運動など、何かと女性に光が当たった2018年。ここでは、英国の建築デザイン界に新風を吹き込んだ女性建築家によるデザイン3点を紹介する。

患者の安らぎの場所として
Maggie's Centre
マギーズ・センター

Maggie's Centre

チャリング・クロス病院の敷地内でNHSからは独立して運営されている、がん相談支援施設「マギーズ・センター」。2008年に、利用者にとって使いやすく、心が安らぎ、気分が明るくなるような場所にとの思いから設立された。発案者は、造園デザイナーで、自らもがんを患っていたマギー・K・ジェンクス。マギーは1995年に死去したが、マギーの名を冠した施設が今も患者たちを癒している。

  • 9月22日(土)10:00-13:00
    定員60人
  • Charing Cross Hospital, Fulham Palace Road W6 8RF
  • Hammersmith / Baron's Court

手作り感に溢れた最初の一歩
Blue House Yard
ブルー・ハウス・ヤード

Blue House Yard

ハリンゲイ・カウンシルの委託により、ロンドン北部ウッド・グリーンの駐車場跡に誕生した、クリエイターや自営業者のためのカラフルなワーク・スペース。リテイルやイベント用のスペースも兼ね備え、停車しているダブルデッカー・バスの中はカフェになっている。デザインは弱冠23歳の建築デザイナー、アリス・ハーディー。ハーディーが手掛けた初の大きなプロジェクトとなり、設計から設置まで一貫して携わった。

  • 9月22日(土)& 23日(日) 10:00-17:00
    定員25人
  • 5 River Park Road N22 7TB
  • Wood Green

一足先に新ミュージアム見学
Geffrye Museum
ジェフリー・ミュージアム

Geffrye Museum

17世紀から現在に至るまでの、英国家庭の住まいをテーマにしたミュージアム。現在は2020年まで続く改装工事のため閉鎖しているが、このイベント期間中は特別オープン。改装を担う建築デザイン事務所、ライト・アンド・ライトのスタッフによるツアーが行われるので、未来のミュージアムの姿が一足早く分かる。デザイン事務所は1994年にクレア・ライトが設立した。

  • 9月22日(土) 11:00-16:00
  • 136 Kingsland Road E2 8EA
  • Hoxton
 

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*本文および情報欄の情報は、掲載当時の情報です。

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