2025年秋以降、欧州旅行はこう変わる!新システム「EES」導入で
入国手続きが一新
2025年10月12日から、新しい出入国システムEES(Entry/Exit System)がシェンゲン協定加盟国で導入された。これにより、これまで旅行など短期滞在時に入国審査で押されていたパスポートのスタンプは廃止され、出入国の記録は全てデジタルで管理される。長らく導入が注目されているETIASとはまた別の制度なので、混同に注意しよう。
参考)www.gov.uk/guidance/eu-entryexit-system

EES導入により、欧州旅行者は到着時に顔写真と指紋を登録する。そのデータは最大3年間保持されるため、再入国時の手続きは簡略化される。また、これまでも「180日の間で通算90日まで」というシェンゲン協定加盟国内の滞在制限は存在していたが、従来のスタンプによる管理よりも厳密にシステムでカウントされる。日数超過は即座に把握されるため、観光・ビジネスいずれの場合も滞在計画には十分注意したい。
EESの制度そのものは全旅行者に共通するが、英国から出発する人と、日本から直接訪れる人とでは注意すべき点に少し違いがある。
英国在住者が欧州を旅する場合
シェンゲン協定の短期滞在ルール
英国はEUを離脱したため、英国人や英国在住者であっても、シェンゲン協定加盟国に入る際は日本から直接来る旅行者と同じルールが適用されている。滞在は従来通り「180日の間で通算90日まで」に限られるので、出張や旅行を繰り返す人は必ずカレンダーなどで日数を管理する必要がある。
EES登録は出発前に英国側で行う
特にロンドン在住でパリやブリュッセルなどへ週末旅行を繰り返す人は要注意だ。ユーロスター(ロンドン・セントパンクラス駅)、ユーロトンネル(フォークストン駅)、ドーバー港などから出発する場合は、EESの登録が英国出発地で行われるため、出発時間の2〜3時間前までに到着を求められる可能性が高い。日本人だけでなく英国人も登録が必要なので、初回は長時間の行列を覚悟しておきたい。ただし1度登録を済ませれば、データは3年間有効で、次回以降は照合がスムーズになる。
日本から直接欧州へ行く場合
到着時に生体情報を登録
最初の入国時に到着した空港や港の入国審査場で指紋・顔写真の登録が行われるため、手続きに時間がかかる可能性がある。特にパリやフランクフルト、ローマなど主要空港は長蛇の列が予想される。乗り継ぎ便の利用者は、余裕を持ったスケジュールが必要だ。日本から行く場合も3年間有効で、次回以降は照合がスムーズになる。
シェンゲン協定加盟国とは
シェンゲン圏(Schengen Area)は、国境検査を廃止し、人の自由な移動を可能にした欧州の国々を指す。EUと重なる部分は多いが、完全に一致するわけではない。
● シェンゲンに参加しているEU加盟国
- オーストリア
- ベルギー
- ブルガリア
- クロアチア
- チェコ
- デンマーク
- エストニア
- フランス
- ドイツ
- ギリシャ
- ハンガリー
- イタリア
- ラトビア
- リトアニア
- ルクセンブルク
- マルタ
- オランダ
- スウェーデン
- スペイン
- ポルトガル
- スロバキア
- スロベニア
- フィンランド
- ポーランド
- ルーマニア
● EUに加盟していないがシェンゲンに参加している国
- ノルウェー
- スイス
- リヒテンシュタイン
- アイスランド
● EUだがシェンゲンに入っていない国
- アイルランド
- キプロス



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