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Sun, 22 December 2024

欧州にもあった日本人の心の故郷 ドイツ各地の温泉地

寒さが増し、年末年始の休みが少しずつ近付いてきた今、
日本への帰国を楽しみにし出した在英日本人は少なくないだろう。
それほど、温泉は日本人にとって 切っても切り離せない存在。
しかし、欧州にも、日本に負けずとも劣らない温泉大国があることを
皆様はご存知だろうか。

その国とは、ドイツ。
外界から遮断された神秘的な空間に身を任せる至福のひと時を、英国から
飛行機に乗ってわずか数時間で行くことができるドイツでも味わえるのだ。
冬休み中に欧州へ出掛けることを予定しているのであれば、ドイツの温泉地を
目指すのはいかがだろう。 (ドイツ・ニュースダイジェスト編集部: 林 康子)

ドイツの温泉

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map 01欧州最大級の水のレジャー・パーク
HanseDom Stralsund
ハンザ・ドーム シュトラールズント

ハンザ・ドーム シュトラールズント

総面積12万1000平方メートルに及ぶ同施設は、温泉と健康施設の分野では欧州最大級、「水のレジャー・パーク」と呼ぶにふさわしいスケールだ。カリブ諸島を模したジャングルの中で、子どもたちはウォーター・スライダーや流水プール、滝などのアトラクションに夢中になり、大人たちはウェルネス・スパとして最上級の評価を受けたこの施設のバラエティーに富んだサウナでひと休み……と、皆が思い思いに楽しめる造りになっている。さらに、テニスやバレーボール、ハンドボール、スカッシュなどで汗を流せる屋内運動場も完備されている。

オープン 浴場9:30~22:00 サウナ~23:00 *浴場は金土~23:00
料金 2時間10.50ユーロ~
住所 Grünhufer Bogen 18-20, 18437 Stralsund,Germany
TEL 0049 (0)3831 37330
WEB www.hansedom.de

map 02カリブ海のリゾートをプチ体験
Holstein Therme Bad Schwartau
ホルシュタイン温泉バート・シュヴァルタウ

ホルシュタイン温泉バート・シュヴァルタウ

「週末はちょっとカリブ海でリラックス」。そんな贅沢なプチ休暇を疑似体験できる場所が、ここにある。常時30℃に設定された屋内、その中に茂る大きなヤシの実と巨大なプールが生み出す雰囲気は、まさに南国カリブのリゾートそのものだ。プールには、高さ92メートルのウォータースライダーや流水プールなど、大人も子どもも思いっきり楽しめるアトラクションが多数。オリエンタル・マーケットが中に広がり、アラビアン・ナイトの世界を堪能できるサウナにも、ぜひ入ってみたい。さらに、小さな子どもたちも安心して楽しめるプールも用意されている。

オープン 9:00~22:00
料金 1.5時間9.90ユーロ~
住所 Am Kurpark 3, 23611 Bad Schwartau, Germany
TEL 0049 (0)451 2004148
WEB www.holstein-therme.de

map 03塩分の効用で健康を促進する
Soltau-Therme - die Vital-Solequelle
ゾルタウ温泉

ゾルタウ温泉

塩分の効用に重点を置く温泉。地下200メートルから汲み出された温泉に含まれるミネラルの量は死海のそれと同程度と言われ、その健康促進効果は科学的にも証明されているそうだ。温泉に続いて、薬草やフルーツの香りが神経を労わるサウナ、あるいは自分の体調や好みに合ったコースを専門家がアドバイスしてくれるマッサージはいかが? ここゾルタウの街には北ドイツ最大のレジャー施設、ハイデ・パーク(www.heide-park.de)もあるので、遊園地で思いっきりはしゃいだ後、疲れを取るために温泉に浸かりに来るというのも良いかも。

オープン 浴場9:00~22:00 月10:00~ サウナ10:00~22:00
料金 3時間10.50ユーロ~
住所 Mühlenweg 17, 29164 Soltau, Germany
TEL 0049 (0)5191 84480
WEB http://soltau-therme-online.de

map 04バリ島のリゾート空間を再現
Bali Therme Bad Oeynhausen
バリ温泉 バート・オイエンハウゼン

この温泉のコンセプトは、施設名が示す通り「バリ」。温泉に浸かっていても、サウナに入っても、施設内の至る所で、東南アジアのリゾート地バリ島を感じることができる。健康施設のコーナーでも、体内エネルギーのバランスを健康の基本とするバリの人々に倣い、「リラックス→デトックス→リフレッシュ」をモットーに、多様なマッサージを提供している。毎週水曜は、女性限定でアロマオイルのサウナやハマム(次ページの右端コラム参照)が割り引きとなる「レディース・サウナ・デー」。また、大人たちがゆっくりと時を過ごせるよう、無料の託児サービスも整えられている。

オープン 8:00~23:00 金土~24:00
料金 2時間8.50ユーロ~
住所 Morsbachallee 5, 32545 Bad Oeynhausen, Germany
TEL 0049 (0)5731 30530
WEB www.balitherme.de

map 05多種多様なサウナがそろう
Die Sauna Insel
サウナの島

ドイツ西部ミュンスターラントに、静養のためのオアシスが広がる。サウナ専門施設としては国内最大規模を誇る「サウナの島」には、蒸し風呂から、フィンランドの伝統的な丸太小屋のスモーク・サウナ、心地良い香りのローズ・サウナ、ファイアー・サウナなど、ここでしか味わえない本格サウナがそろっている。中でも逃せないのが「Valo Bad」。優しい色の光の中を歩いていくと、部屋の中央には花崗岩に囲まれたストーブがあり、その中心の丸い石からはアロマオイルが入ったお湯が静かに流れている……。冬の乾燥肌に抜群の効用がありそう。

オープン 14:00~23:00  土10:00~ 日祝10:00~20:00
料金 22ユーロ 19:30以降17.50ユーロ
住所 Wierlings Busch 16, 48249 Dülmen, Germany
TEL 0049 (0)2594 3014
WEB www.sauna-insel.de

map 06深い森の中に佇む温泉
Spreewald Therme
シュプレーヴァルト温泉

シュプレーヴァルト温泉

ドイツ東部に位置する木々や草原に覆われた深い森、シュプレーヴァルトの中に佇む温泉。自然との調和を考慮して建てられたモダンな温泉施設は、建築物としての評価も高く、一見の価値あり。中に入っても、まるで戸外の森がそのまま続いているかのような静けさと解放感に満たされた空間が広がる。ここで体験したいのが、木のバスタブ。シュプレーヴァルトの天然木材を使用したこの浴槽に、1人で、あるいは大切な人と2人で浸かるプライベートな時間は、贅沢の極致と言えよう。施設内のレストランでは、地元産の素材を活かした料理を堪能できる。

オープン 9:00~22:00 第1金~24:00
料金 2時間13ユーロ~
住所 Ringchaussee 152, 03096 Burg, Germany
TEL 0049 (0)356 0318850
WEB www.spreewaldtherme.de

map 07世界各国のサウナが大集合
Badegärten Eibenstock
浴室の庭園 アイベンシュトック

アイベンシュトック

全面ガラス張りの温泉プールは、「ホール」と呼べるほどの大きさ。そこから眺めるエルツ山脈のパノラマが、大自然に抱かれる幸福感を感じさせてくれる。ここではドイツの桶風呂から、110℃の燃え上がるようフィンランド・サウナ、オリエンタルな雰囲気漂うハマム、日本庭園や寺院風の装飾が施された石風呂、ローマ式の泥風呂、ジャグジー・バス、ロシア・サウナまで、体を癒しながら世界中の伝統的な公衆浴場・サウナの慣習を学べる。また、2月までは毎日18:00~20:00、水とレーザー光線と音楽のスペクタクル・ショーが開催されている。

オープン 10:00~22:00 金土~23:00
料金 2時間8.50ユーロ~
住所 Am Bühl 3, 08309 Eibenstock, Germany
TEL 0049 (0)37752 5070
WEB www.badegaerten.de

map 08水と光と音が織りなす幻想的な世界へ
Therme Bad Steben
バート・シュテーベン温泉

バート・シュテーベン温泉

屋内の大きな回転プールと、それを取り囲む広々とした歩廊が解放感を演出する温泉。常に36℃に保たれている屋外プールでは、お湯に浸かりながら新鮮な冬の空気を味わえる。また、名物アトラクション「音のパビリオン」と「体感のパビリオン」では、水の中で音楽を聞いたり、光と音が織りなすシャワーの下をくぐったり、地元の粘板岩を使った洞窟の中を歩いたりと、幻想的な世界を体験できる。このほか、塩分で満たされた空間の中を歩くことで気道を広げるという塩の洞窟や、ドイツで「自然療法の父」と称されるセバスチャン・クナイプ神父が作り上げたというクナイプ療法を取り入れた風呂など、健康効果抜群の設備も盛りだくさん。

オープン 浴場9:00~22:00 サウナ・ウェルネス10:00~
料金 浴場2時間7.5ユーロ~
住所 Badstraße 31, 95138 Bad Steben, Germany
TEL 0049 (0)9288 9600
WEB www.therme-bad-steben.de

map 09大自然に囲まれながらリラックス
Alb Thermen
アルプ温泉

アルプ温泉

小高い山々が連なる大自然に囲まれたシュヴァーベン・アルプ地方にある温泉は、地下770メートルから湧き出る源泉を使用。疲れた心身を癒してくれるだけでなく、関節痛や腰痛、神経痛にも効果があるという。同施設は、「湯治力」「ウェルネス&マッサージ」「サウナ」「健康 & バイタリティー」の4つの空間が、訪問者を非日常の世界へと誘う。サウナは定番のフィンランド式や薬草など7種類あり、加えてホット・ストーンや指圧、フット・リラックス・マッサージなど充実のコースぞろえとなっている。アクティブ派のためにフィットネス・スタジオも完備している。

オープン 浴場8:30~22:00 金土~23:00 日祝~21:00
料金 3.5時間10.80ユーロ~
住所 Bei den Thermen 2, 72574 Bad Urach, Germany
TEL 0049 (0)7125 94360
WEB www.albthermen.de

map 10温泉を通じての異国体験
Cassiopeia Therme Badenweiler
カシオペア温泉 バーデンヴァイラー

カシオペア温泉 バーデンヴァイラー

本場ローマやアイルランドの浴場を模した建物が美しい温泉施設。外観だけでなく、内容も各温泉名所の伝統的な入浴方法を取り入れており、ローマ式の蒸し風呂やアイルランド式の温風入浴は、特に血流活性化の効果があるとして人気が高い。ハマムや指圧をはじめ、西洋と東洋、双方の方式を取り扱うマッサージの種類も30種以上と、よりどりみどり。毎日開催されているアクア・ジョギングやアクア・サルサなどのフィットネス・プログラムへの参加は無料! 著名人をゲストに招いての朗読会やコンサートも定期的に行われている。

オープン 浴場9:00~22:00 サウナ11:00~
料金 1日12.50ユーロ~
住所 Ernst-Eisenlohr-Straße 1, 79410 Badenweiler, Germany
TEL 0049 (0)7632 799300
WEB www.badenweiler.de

map 11元気になるための施設がいっぱい
Schwaben-Therme Aulendorf
シュヴァーベン温泉 アウレンドルフ

硫黄とフッ素をたっぷり含んだ温泉に浸かり、エネルギーを補給しよう。さらに、マッサージ用の滝やジャグジー・バスで筋肉の凝りもスッキリ解消! 心身共にリフレッシュ、充電させるのに持ってこいのこの温泉では、クナイプ療法を取り入れた40℃の熱めの浴槽のほか、一風変わったハチミツ・パックや氷のパックなど、様々なプログラムを提供している。また、プロの指導の下で行う水中エアロビクスなどアクア・スポーツのコースも豊富。

オープン 浴場9:00~22:00 金~24:00  土祝前日~23:00
料金 1.5時間6.20ユーロ~
住所 Ebisweilerstraße 5, 88326 Aulendorf, Germany
TEL 0049 (0)7525 9350
WEB www.schwaben-therme.de

map 12ヌーディスト体験もできる
Therme Bad Wörishofen
バート・ヴェリスホーフェン温泉

バート・ヴェリスホーフェン温泉

ミュンヘンの南西約80キロに位置する国立温泉。温泉プールとサウナを合わせた同施設の総面積は、なんと約7000平方メートル。屋内に一歩足を踏み入れると、ヤシの木を始めとするエキゾチックな亜熱帯植物に包まれた南太平洋諸島のような世界が広がり、外の寒さを忘れさせてくれる。ここのオススメは、黄金に輝く健康風呂「Onyx-Grotte」や、死海の塩がたっぷり含まれた風呂。サウナ、健康促進サービスも15種類を超える充実ぶりで、毎月第2土曜の「Sauna Samstag」(19:00~24:00)には、全フロアを裸で動き回ることができる! ヌーディスト体験をしたい人はぜひ。

オープン 10:00~22:00 金~23:00 日祝 9:00~
料金 浴場3時間11ユーロ~
住所 Thermenallee 1, 86825 Bad Wörishofen, Germany
TEL 0049 (0)8247 399300
WEB www.therme-badwoerishofen.de

温泉とサウナの話

温泉好きな日本人の中にも、ドイツで温泉やサウナ施設に入るのはちょっと不安、と言う人も少なからずいるだろう。そんなあなたのために、ヨー ロッパの温泉とサウナについて簡単に紹介しよう。

温泉ヨーロッパの温泉浴場の起源はローマ帝国時代。初代ローマ皇帝アウグストゥスが民衆のために対話や講義の場としての円形の浴場、さらにスポーツ・ジムや商店を備えた施設を作ったことにさかのぼる。後に、豪華絢爛な外観を持つ浴場がカラカラ帝やディオクレティアヌス帝などによって建設され、帝国領各地に広まった。  

ドイツでは、昔から「療養所」や「湯治場」のイメージが強かった温泉だが、今や心身の健康促進や癒しの場といった側面が注目され、利用者の裾野も広がっている。近年では東洋の入浴の風習も人気で、中東・トルコ式の浴場「ハマム*1」や日本の露天風呂を再現した浴場なども出てきている。

*1 ハマム(トルコ風呂):
約50℃の浴室で、浴槽から上る蒸気で汗を流す。浴室は、大理石や装飾タイルで飾られた豪華な造り。中には温められた石のベッドがあり、その上で泡マッサージやあかすりのサービスを受けられる。
サウナサウナの発祥地はフィンランド。1000年以上も前から存在する同地のサウナは、体を洗ったり、汗を流して体の毒素を外へ出すといった役割だけでなく、ビール造りや食肉・魚の燻製、洗濯など、様々な用途を持つ、人々の日常生活に密着した慣習として代々伝承されてきた。

ドイツでも体調管理のためにサウナに通う人は多く、大きな温泉施設にサウナは付きものだ。フィンランド・サウナが一般的だが、ほかにもロシア式の「バーニャ*2」や植物の香りを漂わせる、アロマテラピーを応用したサウナなど、種類も増えている。ドイツ・サウナ連盟が推奨するサウナ利用法は以下の通り。
  1. シャワーを浴び、タオルで体をよく乾かす。体が乾いている方が汗をかきやすい。
  2. サウナに入り、タオルをお尻の下に敷いて座る、もしくは寝そべる。
  3. フィンランド・サウナの場合、室温は60~100℃程度。体調や慣れ具合により、8~15分間汗を流す。
  4. サウナから出たら、すぐにシャワーを浴びたり、プールに飛び込むことはせず、まずは新鮮な外気を吸って、体内に十分な酸素を送る。
  5. シャワーを浴びて汗を洗い流し、プールに入って体を冷ました後は、再び体温を調整するため、温水のフット・バスに浸かるのがオススメ。
*2 バーニャ(ロシア・サウナ): フィンランド・サウナよりも低い温度(約60℃)の室内で、高温の蒸気を浴びるスチーム・サウナ。束ねた白樺や樫の枝葉で体を叩くことによって血行を良くする、ヴェニークと呼ばれるマッサージも行われる。
 

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