若き労働党リーダー候補
次期、労働党リーダーに最も近いと言われるミリバンド兄弟。テニスのティム・ヘンマン元選手に似ているお兄ちゃんのデービッド(44)は、外務および英連邦相、丸メガネの青年時代、ハリポタそっくりだった4つ下のエドは、気候変動・エネルギー問題担当相。内閣同時就任は、1931年のオースティン & ネヴィルのチェンバレン異母兄弟以来の快挙という。
両親ともにポーランド系ユダヤ人移民で、父親ラルフ・ミルバンド(〜1994)は、英国を代表するマルクス主義政治学者として知られ、母親も近・現代英女性史の専門家である。毎日のように知識階級の友人たちと両親が、BBCラジオ「ワールド・アット・ワン」を聞いては、議論を戦わせる姿を見て育った兄弟。政治家になる素養は十分だ。因みに、ロンドンの実家は現在、兄デービッドが、バイオリニストの妻と、米国からの養子2人(3年前と昨年、生後間もない男児を迎えた)の家族4人で暮らしている。
オックスフォード大を「ファースト」で卒業した兄は2年後の1994年、労働党党首になったトニー・ブレアの政策担当長で、「2 − 1」の成績だった弟は、同年、影の財務大臣ゴードン・ブラウンのスピーチライター兼経済アドバイザーで「ニュー・レイバー」入り。今年1月初め、一部の労働党議員から「選挙前に辞任せよ」と詰め寄られたブラウン首相に対し、熱意に欠ける中途半端なブラウン支持コメントを出し、党内およびメディアから批判されたデービッドに対し、COP15「コペンハーゲン協定」での説得力あるスピーチで男前を上げたエド。ここへきて、兄有力だった次期リーダーの座が、弟に傾いてきた。
抜いたり、抜かれたり、双子じゃないが、英国の「マラソン宗兄弟」と呼びたい(知ってる?)。