そして婚約、妊娠の超当たり年
バレエ「白鳥の湖」のプリマ争奪をめぐる心理スリラー「ブラック・スワン」で、ゴールデン・グローブ賞のドラマ部門主演女優賞を獲得し、27日に行われる本年度オスカーの最有力候補と言われるナタリー・ポートマン(29)。昨年末に、本作で彼女の振り付け指導をし、自らもダンサーとして出演しているニューヨーク・シティ・バレエ団の仏人プリンシパル、ベンジャミン・ミルピエとの婚約、妊娠を発表。夏に出産予定という。先月、全米公開されたアシュトン・カッチャーとのラブ・コメディー「抱きたいカンケイ」は、興行収入ランキングで初登場1位。おめでた連発、20代最後を有終の美で飾ろうとしている。
それにつけても、冒頭の「ブラック・スワン」は女優陣を筆頭に、ユダヤ系で固められた作品だ。まず、主役ニーナを演じるポートマンは、エルサレム生まれの米ニューヨーク育ち。ユダヤ人小学校に学び、ハーバード大卒業後は、イスラエルのヘブライ大大学院で中東問題を研究している。ライバル役のミラ・キュニスはウクライナ出身のユダヤ系、ニーナの母を演じるバーバラ・ハーシーは父方が、元プリマ役のウィノナ・ライダーは両親ともにユダヤ系。そして、監督のダーレン・アフロノフスキーはブルックリン出身の保守派ユダヤ教家庭の出という。
映画「レオン」の衝撃デビューから16年。「スター・ウォーズ」のパドメ役(ヘンテコなヘアメイクばかりが目立つ)があったにせよ、今イチ印象が薄くて、このままどんより「ユダヤ系才媛女優」の先輩ブルック・シールズのように、あるいは、万引き容疑で急落したウィノナのように、尻つぼみの中堅役者となっていくのかと予想していた。しかし今回、オスカー獲ったら大ホームラン。揺るぎない地位まであと一歩だ。