すべてを手に入れ、すべてを失ったメガ・リッチの転落
先月11日、「第54回グラミー賞」前夜に米ビバリーヒルズのホテル客室の浴槽で遺体となって発見されたホイットニー・ヒューストン(享年48)。2001年にアリスタ / BMGと史上最高額80億円でレコード6枚のリリース契約を結んだが、数年後にはそのほぼすべてをドラッグに使い果たし、取り立て屋に自宅を追い出される始末。死の瀬戸際にはレコード会社から実現しなかったレコード発売の前金として日当をもらいながら、その日暮らしの生活をしていたというから悲惨だ。
欲しいものすべてを手に入れられることに慣れきって金銭感覚を失ったスターが、その後、人気失速に気付かず、すってんてんになるのはあっという間。ボクシング現役時代に320億円を稼いだ元ヘビー級チャンピオン、マイク・タイソン(45)は、引退直前、ハチャメチャな浪費がたたって21億6000万円の借金まみれに。同様に、ミドル級3度防衛の英出身クリス・ユーバンク(45)も借金王。地元ブライトンで高級車ハマーやらアストン・マーチンを乗り回して、常時お付きをはべらせ、爵位まで買った「なんちゃって貴族」も、2005年、税金未払いで家から車からすべて失っている。
かつて一世を風靡したラッパー、MCハマー(49)。スタッフ200人を雇っての豪邸生活も10年経たないうちに破綻(はたん)、悟って牧師に転身した。70、80年代、ハリウッド娯楽映画に出まくっていた俳優バート・レイノルズ(76)は、多額の離婚慰謝料が原因で90年代半ばに破産。その後、持ち直したものの、再び2年前に破産というあり様だ。そして、「ポップス王」マイケル・ジャクソン(享年50)も、194億円の借金を抱えて亡くなった。
映画降板で製作側から訴えられ破産した女優キム・ベイシンガー(58)は、「LAコンフィデンシャル」のアカデミー助演で人気復活を果たした稀有な例。お金は大切にしよう。