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Life at the Royal Ballet バレエの細道 - 小林ひかる

第26回 バレリーナの食生活

12 July 2012 vol.1360

バレリーナ=食事制限をしなければならない、と考えている方はたくさんいらっしゃると思います。私としては食事制限というよりは、食事管理といった方が良いように感じますが、その感覚はやはりダンサー個々人で異なります。私自身は運良く、太りやすい体質ではありませんので、それほど気を使わなくても大丈夫ですが、もちろん、かなり気を使わなければいけないダンサーがいるのも事実です。

日本からフランスへ留学した当時は、食事ショックとでも言いましょうか、かなりの食生活の違いのため、体重が増えました。主食がお米からパンに変わったことに加え、フランス料理と言えばバターたっぷりのソースの数々。日本ではどんなに食べても太らなかった自分でしたので、何も考えなしに、日本と同じ量の食事をパクパク食べていたら恐ろしいことに……。慌てて自分が何を食べているか、気を使い始めました。

成長期をとっくに過ぎた現在は逆に、忙し過ぎる時期は体重が落ちてしまうので、しっかり食べるように気をつけています。

バレエ・ダンサー 小林ひかる
ある日の朝食。ミューズリーに果物、
そしてハチミツで一日のスタートを!

バレエ・ダンサーの一日はとても長く、本来の食事の時間に食事をするということができないことが多いため、朝食はとても大事です。私の場合、朝食はミューズリーなど、全粒穀物のような腹持ちが良いものを果物と一緒に食べるようにしています。

ときにはパンケーキやベーコン・エッグ & トーストのような、どっしりとしたものを食べることもありますが、全粒穀物の方が食物繊維を多く含み、消化吸収に時間がかかりますので、満腹感を長時間、保つことができます。

昼食は、炭水化物を中心にタンパク質を少量。例を挙げると、サンドイッチやロースト・チキン & ライスのようなものになります。ダンサーという仕事柄、特に昼食の時間帯には食事をする時間を確保するのが難しいのと、時間をとれたとしても、食べ過ぎると体が動かなくなってしまうので、軽いものを量的にも少なめに、何回かに分けて食べます。

間食は、シリアル・バーや果物、ヨーグルトなど。そして夕食はタンパク質、野菜中心のしっかりとしたものを取るようにしています。肉か魚のメインに、サラダや野菜の炒め物、ご飯などが多いでしょうか。やはり揚げ物は消化にあまり良くないのと、役に立たない揚げ油を体に入れなければならないので、外食のときにたまに食べるぐらいにしています。

デザートはと言うと、私はあまり甘党ではないので量的にはそれほど食べられませんが、おいしいチョコレートやケーキなどには目がありません。

このように、私は何でもバランス良く食べるようにしており、これは絶対に食べない、という決めごともありません。

バレエ・ダンサーは健康的な強い体があって初めて仕事が成り立つので、体が細ければ良いというものではありません。それに骸骨のような体が踊るのは魅力的でしょうか。やはり女性は、ある程度、女性らしい体の線がある方が、私としては魅力的だと思います。

モデルの世界でもサイズ・ゼロ・ブームという風潮がみられましたが、牛蒡(ごぼう)に服を着せて、何が魅力的だと言うのでしょう。

美を追求するのは私たちの仕事の一つですが、人間の体は正直なので、間違った美を追求すると長持ちしません。やはり何と言っても健康が一番!

 

小林ひかる
東京都出身。3歳でバレエを始める。15歳でパリ、オペラ座バレエ学校に留学。チューリッヒ・バレエ団、オランダ国立バレエ団を経て、2003年から英国ロイヤル・バレエ団に入団。09年ファースト・ソリストに昇進した。
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