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Fri, 25 April 2025
英国での新生活を応援!暮らしの基本ガイド

暖かな陽気に包まれる春は、英国でも「始まり」の季節です。新天地での生活に、多くの人が期待と同時に不安を抱えているのではないでしょうか。日本と異なる慣習や社会のルールなど、気になることはたくさんあるかと思いますが、生活の基盤である住み心地の良い住宅を探してくれるサービスや診察無料の医療制度があることを知っておくと、日本と同じように快適な生活が実現できます。また、時間や生活に余裕が生まれれば、欧州への旅行や本場で英語を学び直すなど、人生の新たな章を英国で切り開くこともできます。本特集では、日本と英国の環境の違いや、英国での暮らしをバックアップしてくれる強い味方をご紹介します。

何かあったらまずGPへ
NHSの利用法
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NHSにおける医療機関の受診方法

英国の国民医療制度(NHS)は、英国で税金を払い国民保険(NI)に加入すれば無償で医療サービスを受けられる制度として、1948年に「ゆりかごから墓場まで」をスローガンに発足しました。NHS病院を利用するには、まず家庭医(GP=General Practitioner)に登録する必要があります。GPは自宅近くの医師を選ぶのが普通で、NHSのサイトのロケーション・サーチで自宅のポスト・コードを入れると、いくつか該当するGPのリストが出てきます。そのGPが新規患者の登録を受け付けているかどうかや、患者によるそのGPの評価なども分かります。また、2015年1月からは、自宅近くではないGPでも登録できるようになりました。勤務先に近いGPを選びたいときや、引越しても引き続き同じ医師に診てもらいたいときに便利です。ただ、なかには近隣住民しか受け付けないGPもいるので確認しましょう。

次に、希望するGPが決まったら、電話やオンライン、または直接出向くなどし、新規登録のための申請予約をします。GPによってはパスポートや住所を証明できるものを持参するよう言われる場合も。当日は医師による簡単な問診や質問があります。登録完了後は、今後随時そのGPでの受診が可能になります。オンライン予約を受け付けているGPもあります。

すぐには治療してもらえない?

日本では、症状に応じて内科、小児科、整形外科など、患者がどこの病院に行くかを決定しますが、英国ではまずGPで受診し、そのGPから適切な専門医を紹介してもらうというのが基本的な形態となっています(歯医者は除く)が、昨今は医療従事者が大幅に不足しており、通常の診療も多くの待ち時間を有したり、なかには医師による診察が2カ月待ちということもあります。

日英における診療の流れの違い

日英における診療の流れの違い

ただし、緊急の場合はGPを通さず救急病棟(A&E)で治療や検査を受けることが可能ですが、GPの予約がなかなか取れず、取れたとしてもずっと先であったりすることから、緊急以外の患者がA&Eが訪れることもしばしば。待合室で長時間待たなければならず、半日以上かかることもよくあります。NHSでは緊急であるか否か分からない患者のために特別な電話番号「111」(救急は警察と同じで999)を用意しているので、困ったときには電話によるサポートを受けられます。この電話サービスは無料なうえ、24時間いつでも連絡可能。ほかにもNHSには「アージェント・トリートメント・センター」(UTC)というサービスが各地にあり、ここでは生命の危険がない場合の症状に対する診察を予約なしで受けることができます。

UTCはA&Eとは別のサービスですが、同じ病院の建物内にある場合もよくあります。

UTCを利用するべき症状

ヘルス・サーチャージ

政府はNHSの慢性的な予算不足を改善する一つの策として、2015年にイミグレーション・ヘルス・サーチャージ(IHS)という課金制度を導入し、欧州経済領域(EEA)外の国民が英国の滞在許可証を取得及び延長する際に、あらかじめNHS利用料を支払う仕組みにしました。

英国に6カ月以上滞在する場合、1年1035ポンドを滞在許可証が定める年数分を前払いすることが義務付けられています。5年のビザなら5175ポンドを滞在許可証申請時に一気に支払う必要があります。また、学生、YMSのビザ保持者も同様に、1年776ポンド、ビザが2年なら申請時には1552ポンドの支払いという大幅な金額の変更がありました。

英国滞在が6カ月未満の場合は、サーチャージを支払う必要はありませんが、NHS病院で無料治療は受けられず、治療費の150パーセントに相当する金額を負担することになります。

幅広い治療とフレキシブルな対応
プライベートの歯科医
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NHSとプライベートの歯医者

英国には大きく分けてNHSの歯科医とプライベートの歯科医の二つに分かれます。NHSの場合は、前述のNHSの原則である「治療費がかからない」というルールは適用されず、歯の治療にはNHS診療でも料金が発生します。金額は以下の三つに大別されます。

NHSにおける歯の治療費

※19歳未満(19歳でフルタイムの学生なら適用)や妊娠中または産後12カ月以内といった場合には治療費が無料になります。

❶27.40ポンド X線撮影検査を含む診療や緊急時の応急措置など
❷75.30ポンド ①に加え、詰め物、根幹治療、抜歯など
❸326.70ポンド ①②に加え、クラウン治療、ブリッジ治療、入れ歯など

加えて治療方法によっては上記のNHS料金ではなくプライベート料金が適用されることもあります。*安いと思って行ってみたら思ったより高額だった、とはよく聞かれる話ですが、一生の付き合いとなる歯はお金に代えられない財産であるため、医師や病院選びは慎重に行いたいところです。

*例外的に医学的な必要性が認められた場合にはNHSにおける治療の一環として見なされる場合もあります。

プライベートの歯科医が安心できる理由

「詰め物がとれた」「歯が欠けた」など、緊急事態に対応してくれるのはやはりプライベートの歯科医です。NHSの歯科医ではすぐに予約が取れず、緊急対応以前の話となってしまいますが、プライベートの歯科医では問い合わせをして空きがあれば即日の治療が可能です。また、通常NHS歯科が平日の日中のみ開院しているのに対し、プライベート歯科は土曜日も開院している場所が多く、平日にまとまった時間が取れない人も利用しやすいことは大きな利点です。そして、日系の歯科医であれば不安な点は全て日本語で聞けるので安心です。

また、上記のような治療のほか、NHSはカバーしていないサービスを提供しているのも特徴です。高度な技量を要求される治療や、とりわけ歯のホワイトニングや矯正治療、インプラント治療など、審美治療を提供しています。なお、日本人患者にとっては「一般的な治療」と思えるものでも、英国の規定に則すると審美治療と判断される場合もあるため、治療の前は医師とあらかじめ治療の方向性を相互に確認しておくことが大事です。なお、英国には歯の治療に特化した、比較的簡単に入れる医療保険が数多く存在します。月々手ごろな料金(年齢やプランにもよる)で利用できるので、使いようによってはいざというときに心強い味方になる場合もあります。

プライベートの歯科医が安心できる理由

 
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