硬水ならではの悩み
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ライムスケールに注意
英国はエリアで硬水の地域、軟水の地域に分かれています。スコットランド、ウェールズ、北アイルランドなどは日本と同じ軟水、ロンドンを含むイングランドの大部分が硬水といわれています。そのためイングランドに住むと、水回りに生じる白い水垢(ライムスケール)が避けては通れない問題になります。その原因は、硬水に含まれるカルシウムとマグネシウム。イングランドの水道水にはこれらの成分が多く含まれるため、水回りには白い水垢が残り、放っておくと石灰状に固まってしまいます。こうした水垢の除去にはLimescale Removerのような名称でさまざまな商品が出回っているほか、お酢やクエン酸などを使った昔ながらの方法が知られています。
このように多量の水垢を見ると、水道水を飲んでも大丈夫なのか心配になるかもしれませんが、ライムスケール自体が健康に害を及ぼすことはありません。ただまれに、イングランドに来てすぐで体が硬水に慣れていない場合など、お腹が緩くなる人もいるそう。英国ではブリタ(Brita)社をはじめ、さまざまなポット型の簡易式浄水器が販売されているので、こうした商品を利用するのも良いでしょう。1~3カ月ごとのカートリッジ交換が必要ですが、水道水内の塩素、鉛や銅、除草剤、農薬を除去するとうたっており、ライムスケールがポット内に溜まりにくくなります。
髪がゴワゴワに?
日本から欧州へ旅行した際、シャンプー後の髪の手触りに違和感を覚えた方も多いのではないでしょうか。これは硬水内のカルシウムとマグネシウムが髪の毛のたんぱく質に付着するからだといわれています。硬水の地域に住む際の対策法は、日本人の髪質を良く知るサロンに相談するのがベストですが、自分でできる対策は、毎日洗わない、硬水に適した英国のシャンプーや洗い流さないトリートメントを使うなど。そしてどうしても気になる場合は、水道水を軟水に変えることを目的にしたカートリッジ付きシャワー・ヘッドを利用してみるなどの方法があります。
日本よりも強力?
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春から万全の対策を
英国の日差しが日本より強く感じられるのはなぜでしょうか。日光に含まれる紫外線は成層圏オゾン、空気分子、大気中の浮遊微粒子などの影響を受けるため、地上に届くころには弱まります。ただ英国は湿度が低いため、紫外線は水分の少ない空気の中で散乱されず、強いまま地上に届いてしまいます。夏の英国は日本よりも涼しい気候ですが、気温は紫外線レベル(UVI)とは無関係のようです。
英国全土では春になると紫外線が増加し、6月下旬にピークに達します。UVIは太陽から放出される紫外線の国際標準尺度ですが、0~11+までの11段階に分かれており、イングランド南部やウェールズ南部ではピーク時に9になるときもあります。8~10は紫外線が「とても強い」ので普段以上の予防が必要です。また、明るくさわやかな4月下旬のUVIは、8月の晴れた日とほぼ同じ。紫外線は薄い雲を通過するので、それほど晴れていないと思っても注意が必要です。紫外線が特に強いといわれる12~14時は肌の露出を避け、日焼け止めを塗って帽子とサングラスを使うのがお勧めです。