英国では19世紀半ばよりスピリチュアリズムが浸透し、以後、さまざまな活動や研究が行われてきた。それだけに長い歴史を持つ関連団体が多く、その内容も多岐に渡っている。そこで今回は、英国ならではのスピリチュアル体験情報を厳選してご紹介。自分に合ったタイプの体験を見つけて、この機会に新しい世界に足を踏み入れてみるもよし、自分を見つめ直す旅に出るもよし。知れば知るほど奥深い、果てなき深遠ワールドへ、いざ……!(文・黒澤里吏)
A 精神世界を追求するヒッピー・タイプ
エコな共同生活で自己探求
きっかけは、内なる声
スコットランドはインバネスの北東、北海に向けて開けるマレー湾の南側に位置する人口約900人の小さな村、フィンドホーン。この、まるで世界の果てとも思えるような閑静 な村に、国内最大級のスピリチュアル・コミュニティーがあるのをご存知だろうか。
ことの起こりは1957年。スピリチュアリストのシーナ・ゴーヴァンの下でロンドンを拠点に活動していたアイリーン&ピーター・キャディ夫妻とドロシー・マクリーンは、フィンドホーンから約10キロ離れた村、フォレスにある1軒のホテルの経営を任される。アイリーンが常々授かっていた「内なる声」に耳を傾け、その導きどおり実践することで、破綻寸前だった宿を4ツ星ホテルに昇格させるまでに成功させた3人だったが、諸々の事情からそこを立ち退かなければならなくなる。
1962年、住む場所を失った彼らは、フィンドホーン湾に面した荒地でのトレーラー生活を強いられ、所持金も少なかったため、自給自足を試みようと野菜づくりに取りかかる。乾いた砂地という悪条件の下、再び「内なる声」に従い、諦めることなく地道に作業を行ったのだ。するとまもなくドロシーが、植物のディーバ(精霊)と交信することを覚え始める。3人はディーバが放つメッセージを聞き、それに従うよう心掛けた。その結果、砂地の土壌では生育しづらい植物や野菜が育ち始めたのである。通常、温帯で生育する果樹やハーブ、花々などのほか、今や伝説となった重量約18キロの巨大お化けキャベツが実ったりして世間を驚かせた。
コミュニティーの誕生
菜園の噂が広まるとともに同志も集まり始め、やがてここに自然と共存するスピリチュアル・コミュニティーが誕生した。1970年に米国人スピリチュアリストたちの助力を得て教育課程が確立されると、コミュニティーは教育機関として強化され、メンバーも飛躍的に増加する。そして72年、ついにコミュニティーは「フィンドホーン財団」となり、スコットランドの慈善教育財団として認可されるのである。
80年代後半には、持続可能な村づくりを目指す「エコ・ビレッジ」計画を開始。さらに90年代に入ると、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)と共同イベントを行うなど、世界規模での活動を展開して国連から高く評価され、97年にはNGO団体として正式な認可を受けるに至る。
スピリチュアル共同体、教育機関、エコ活動組織など、さまざまな機能を併せ持つこのコミュニティーには、現在、世界中から訪れる400人以上の人々が暮らし、自然との共存やスピリチュアリティといったテーマに基づく独自の生き方を実践している。また、非営利の慈善財団として各国から毎年1万4000人もの人々を迎え入れ、各種アクティビティーを通してコミュニティー・ライフを伝えている。自然との触れ合いを通して内的世界を充実させたい人、また環境問題に自ら取り組みたい人は、「進化型スロー・ライフ」とでもいうべき共同体での生活を体験してみてはいかがだろう。
まずは体験プログラムに参加
初心者はまず1週間の体験プログラムへの参加が必要。英語に自信がない人は、年に数回、日本語プログラムを開催しているので、こちらを試してみるのも手だ。体験週間を終えた人はワンステップ上のプログラムに参加でき、さらにそのコースを修了すると、1カ月~数カ月の長期滞在も可能となる。
日本語体験週間
スピリチュアルな共同生活のエッセンスを体験できる、1週間の基礎プログラム。各種アクティビティー、瞑想、自然との触れ合い、奉仕活動などを通してコミュニティーに触れ、グループや自己への意識と理解を高めていく。
2009年3月28日(土)~ 4月4日(土)
料金: A £385 / B £455 / C £555(7泊8日分の宿泊と食事を含む)。
※非営利団体のフィンドホーン財団では、より幅広い層の人々が参加できるよう、料金を参加者の収入により3段階(A =低収入 / B =中収入 / C =高収入)に設定している。 A~Cのどれに属するかを自分で決め、収入に合った金額を支払う方式。
※このほか、フィンドホーンに滞在しながら英語を学ぶ「イングリッシュ・イン・コミュニティー」や、エコ村での活動に焦点を当てた「エコ村体験週間」など多彩なコースがある。詳しくはホームページをチェック。
日本人スタッフに聞きました
ローチ西森 美枝さん
個人や家族単位を超えた社会形態、人とのつながりに興味があって1998年に初訪問し、翌年に3カ月間滞在。その後、1年間のプログラム経験を経て、2001年からスタッフとして働いています。フィンドホーンのエッセンスを紹介するプログラムの運営や、日本語プログラムのコーディネーションなどが主な仕事です。日本語体験週間は、毎回平均15~20人の方々が参加されています。母国語だけによりリラックスできて理解も深まるでしょう。多国籍な環境の中で心をオープンにするチャンスでもあり、人生を振り返る機会にもなるかと思います。百聞は一見にしかず、是非一度お越しください。ホリスティック教育センター フィンドホーン財団
The Findhorn Foundation
The Park, Findhorn Scotland IV36 3TZ
www.findhorn.org
B宇宙の神秘を探るパワー・スポッターのあなたは……
謎のレイ・ラインを旅する
聖地をつなぐ直線の発見
1921年6月30日のこと。英国中西部のヘレフォードシャー 州にある、ブレッドウォーディン近辺の丘陵を散歩していたアマチュア考古学研究家、アルフレッド・ワトキンスは、ふと、丘陵地に立つ遺跡や聖地、宗教関連施設などがすべて一直線上に並んでいることに気付く。さっそく地図を確認すると、今度は、それらの地名にどれも「ley(レイ)」の文字が含まれていることが分かった。この偶然とも必然とも言い難い奇妙な事実に心を奪われ、閃きを得たワトキンスは、この直線 を「レイ・ライン」と名付けた。
ワトキンスは、国土がもっと深い森に覆われていた古代には、村と村はこの直線ルートのネットワークでつながっており、小高い丘に立つ名所はランドマークの役割を果たしていたのではないかと考えた。 彼は自身の考察を「The Old Straight Track」という本に著し1925年に発表したが、残念ながら考古学学会からは懐疑的な目で見られ、学説としては受け入れられなかった。というのも、例えばランダムに多数の点を配置すると、それらはいくらでも直線で結ぶことができる。そういう見方からすると、レイ・ラインに特別な法則があるわけではなく「線で結べるのは当たり前」とも考えられるからである。また、たとえレイ・ラインなるものが実在したとしても、古代人がなぜそのような直線性をもたせたのかという疑問が浮かび上がる。
パワー・スポットの神秘
しかしその後も研究は続けられ、直線的に並ぶ古代遺跡が英国に限らず世界各地にも存在すると提唱され始める。そ れらは地名に関係なく「レイ・ライン」と呼ばれるようになり、そして各地でますます多くの意見が交わされることに。レイ・ラインが地下水脈や地磁気と関係しているとする説や、太陽の動きや方角に関わりがあるとする風水的な見方、超自然的エネルギーの共鳴地点だとする説(UFO はレイ・ラインに沿って移動するとも言われる)などが代表的だが、どれも基本的に科学的な根拠に裏付けられたものではない。それなのになぜ、こんなにもレイ・ラインは人々を引きつけるのだろうか。
一般的に教会や修道院などの宗教施設は、宇宙の波動や地中の強いエネルギーを取り入れるため「パワー・スポット」と呼ばれる、地球上の生命や物質のエネルギーが集中している場所に建てられていることが多い。つまり、レイ・ラインはパワー・スポットの集まりというわけだ。ではパワー・スポットは一体どうやって発見されたのかという疑問が浮上するが、つまりは、遥か古代より人間(なかでも特に感受性の強いシャーマンなど)が宇宙の気を感じ取り、エネルギーが満ちている場所を嗅ぎわけ、または導かれ、選び取ってきたということなのではないだろうか。
レイ・ラインとは一体何か。パワー・スポットから放たれるエネルギーとはどんなものか。その答えを探るためにも、ぜひ自らその場所へ足を運んでみよう。
英国最大のレイ・ライン
セント・マイケルズ・ライン St. Michael’s Line
英国にはレイ・ラインが数多く走っているとされるが、なかでも最大と言われ、世界的にも有名なのがこの1本。線上には数多くのパワー・スポットが存在するほか、教会も無数にあり、そのほとんどが大天使ミカエル(St. Michael)に捧げられたものであることから、この名が付けられている。ここでは主要8スポットを紹介しよう。
セント・マイケルズ・マウント
St. Michael’s Mount
ペンザンスから約5キロ東の沖合いに浮かぶ島。12世紀にフランスのモン・サン・ミッシェルの修道長によってベネディクト派の修道院が建てられ、巡礼者の拠点として栄えたことや、干潮時には対岸と陸続きになり、歩いて島まで行けることから「英国のモン・サン・ミッシェル」との異名を持つ。15世紀のバラ戦争や16世紀のコーンウォールの反乱などで要塞として利用された城は、後に個人所有の住居として使われていたが、現在はナショナル・トラストの管理下で一般公開されている。
ローチ・ロック
Roche Rock
アーサー王伝説に登場する、トリスタンとイゾルデの悲恋物語にちなんだ旧跡。荒々しい岩肌を晒した巨大な花崗岩が、1409年に大天使ミカエルのために建てられた礼拝堂跡に寄生するかのように寄り添い、神秘的なフォルムを描き出している。
ハーラーズ・ストーン・サークル
The Hurler’s Stone Circle
コーンウォール州の村、ボドミンムーアにある紀元前1500年頃の青銅器 時代の遺跡で、謎めいた3つの環状列石が見られる。男たちが日曜日にケルトの球技「ハーリング」をするために石に変身した、という中世の伝説が名前の由来。
ブレントール
Brentor
広大な敷地に奇岩が点在するデボン州の国立公園、ダートムーアの西端にある小高い丘には、13世紀に建てられた大天使ミカエルの教会が佇む。エクスムーアやコーンウォール東部まで一望できる眺めの良さも魅力だ。周囲には鉄器時代の要塞跡も見られ、数多くの伝説が残る。
ブロー・マンプ
Burrow Mump
なだらかな平原が果てしなく広がる、サマセット州のトーントン・ディーンにある高台と、その頂に残る大天使ミカエルの教会跡。トーン川の丘陵は三畳紀(約2億5100万~1億9500万年前)の粘土層に覆われた砂岩からなり、自然の要塞と呼ぶにふさわしい土壌。事実、17世紀半ばのイングランド内戦の際には王党派の一団がこの教会に避難したと言われている。現在はナショナル・トラストが所有。
グラストンベリー・トー
Glastonbury Tor
英国屈指のパワー・スポット、グラストンベリーのハイライトとも言える場所。14世紀に建築された大天使ミカエルの塔が聳え立つ丘の頂上では、UFO目撃談や宇宙人との遭遇体験など数々の超常現象が報告されており、アーサー王伝説からの引用も相まって「異界への入り口」とも言われている。麓には聖水が湧き出るチャリス・ウェルという泉があり、キリスト最後の晩餐で使われた聖杯が沈められているという伝説が残る。
エイヴベリー
Avebury
直径335メートルという巨大な環状列石で知られる、ウィルトシャー州にある小さな村。ここから約30キロ離れた場所に位置するストーン・ヘンジと並んで、世界遺産に指定されている。巨石が1カ所に集まっているストーン・ヘンジとは対照的に、こちらは村全体を覆うかのように、広範囲にわたって100個近い巨石が点在しており、その大きさや形にもかなりバラつきがある。この巨大なサークルの内側に、さらに2つの小規模な環状列石があるという二重構造だ。
ロイストン・ケイヴ
Royston Cave
ハートフォードシャー州のロイストンにある、13世紀につくられた高さ8メートル、直径5メートルの円形の洞窟。近隣の村、バルドックで結成された騎士団たちが利用していたという説のほか、拘置所として使われていたという説もある。聖職者たちの磔や受難の様子が広範囲にわたって細密に描写された壁画は必見。
C おまじない大好き、魔女っ子タイプのあなたは……
白魔術を学んでペイガン生活
古来より伝わる多神教
外国人から宗教のことを聞かれて返答に困った経験はないだろうか。または日本人(アジア人)だから仏教徒か、などとぶしつけに聞かれて何か腑に落ちない、でも完全に否定することもできない自分に気付いたことはないだろうか。
日本には「神道」という多神教の宗教がある。古来の民間信仰が、外来思想の仏教や儒教などの影響を受けて理論化されたもので、祖先神や自然神への尊崇が根底にある。明確な教義や教典がなく、森羅万象に神が宿ると考え、祭祀を重視する神道は、日本で育った日本人なら誰しも何かしら影響を受けている部分があると言えるだろう。
キリスト教以前のヨーロッパには、この神道のような土着の多神教がいくつも存在していた。信者たちは自然を崇拝し、儀式や魔術を行っていたが、唯一神のキリスト教が誕生すると、それらの古い信仰は異教として扱われ、その信者たちは侮蔑的に「異教徒(ペイガン)」と呼ばれて抑圧されてしまうのである。
ペイガニズムと魔女の復活
ところが近年になって、このペイガニズムを復興させようという動きが出てくる。季節ごとの祭祀や民間伝承、自然崇拝といった古くからの伝統を生かしながらも、より時代に合わせた新しい信仰の形を追い求めるという意味で、この運動は「ネオペイガニズム」とも呼ばれるようになる。これにともない、古代に異教を伝える役割を担っていた魔女の信仰と知恵を復興させる運動も起こり、なかでも20世紀半ば、ようやく魔女禁止令が廃止された英国で、ジェラルド・ガードナーという人物が行った魔女宗教復活運動によって「ウィッチクラフト」や「ウィッカ」という言葉が一般に浸透、ネオペイガニズムの形態の一つとして認識されるようになった。ちなみにウィッカでは、魔術はポジティブな変化のためだけに行われ、これを行う人を「白魔女」と呼ぶ。
ネオペイガニズムでは、ほかにもケルトの影響を受けた「ドルイディズム」など、実に数多くの流派があり、信条や儀式もかなり幅広くフレキシブルだ。個人で活動する人もいれば、他の宗教と掛け持ちの人もいる。
ペイガンという言葉は、宗教や信仰に興味がない人にはあまり聞き慣れないかと思うが、こうして見てみると、神道の影響を受けている日本人には非常になじみやすい信仰に思えてくる。自然や動物にも神が宿ると考え、季節の行事を大切に思う日本人なら、あとは魔術さえ学べば立派なウィッカ系ペイガン……と言ったら乱暴だろうか。ちなみに魔女は女性とは限らず、男性の魔女も数多く存在する。日本人男性のみなさんも、白魔女になるチャンスは十分にあるというわけだ。
挑戦してみる?魔女のディプロマ
「Witchcraft Out of the Shadows」の著書で知られるレオ・ルイクビー博士によって1999年に創設された「WICA (Witchcraft Information Centre and Archive)」は、魔女術、ウィッカ、ペイガニズム、オカルトなどについて学べるオンライン上の研究機関。これらのテーマに関するリサーチや各種情報の提供を行っているほ か、WICAキャンパスが設けられており、ウィッチクラフト学のディプロマ・コースも実施中。マジメに白魔女を目指したいあなたは、まずはここ からチャレンジ!ウィッチクラフト学
ディプロマ・コース概要
全7万語、計267ページのe-bookをもとに、月に1度、メールでのレクチャー(計12回)を開催。コース修了時には筆記試験を行う。料金は月謝制で毎月£10.99(1週間の無料トライアルあり)。 www.witchology.comこちらもチェック!気になる関連情報
Far Away Centre( ファー・アウェイ・センター)
湖水地方にある魔術、オカルト・アート系のトレーニング・センター。週末を利用した魔女・魔法使い養成コースのほか、タロットのワークショップなど気になるコースが満載。週末コースは材料費込みで2日間£155。 www.farawaycentre.comMuseum of Witchcraft(ウィッチクラフト博物館)
魔術やウィッカにちなんだアイテムを揃えた異色の博物館。創設者であるネオペイガンの魔女、セシル・ウィリアムソンの所有物も多数展示されている。The Harbour, Boscastle, Cornwall PL35 0HD
Tel: 0184 025 0111
www.museumofwitchcraft.com
Dビビビッときやすいサイキック・タイプのあなたは……
心霊術で未来を探る
始まりはポルターガイスト
近代スピリチュアリズムの歴史は、1848年3月31日、米国はニューヨーク州の小さな村、ハイズヴィルに住むフォックス家で起こったポルターガイスト現象に始まる。激しいラップ音に襲われる中、幼い姉妹が音の信号を用いて霊との交信に成功したというのだ。このニュースは、瞬く間に世界中に知れ渡る。それまでにも超常現象はいくつか報告されていたが、霊との交信が成功したという報告は初めてだったうえ、姉妹が在宅の時に限ってラップ音が鳴ることから姉妹の霊媒体質が明らかになり、霊媒という存在が世間に知られるようになったのである。*以降、霊媒者を介して霊魂と接触するという、近代の研究スタイルが確立されたと言われている。
英国における心霊研究
英国ではその頃から霊媒師やヒーラーが続々と出現し始め、スピリチュアリスト・チャーチが数多く建てられ、霊媒のデモンストレーションなどが定期的に行われるようになる。霊的な活動を行うグループや組織が各地で結成されていき、交霊会などを通してスピリチュアリズムを普及させていった。なかでも1872年に創設された英国スピリチュアリスト協会(以下SAGB)は、作家のコナン・ドイルも主要メンバーだったことで知られ、現在もメイフェアの一角で活動を行っている老舗だ。シッティング(霊視)をはじめ、ヒーリング、瞑想、前世療法、催眠療法などさまざまなセッションが実施されているほか、ミディアム(霊媒師)養成も行っており、テレビ朝日のトーク番組「オーラの泉」などで知られるスピリチュアル・カウンセラーの江原啓之氏もここで学んでいる。
一方で、こういった現象を懐疑的に見る向きもあり、例えば英国心霊現象研究協会などは、秘教の大家と呼ばれるブラヴァツキー夫人が創設した神智学協会のトリックを暴くなど、心霊現象を科学的に分析する姿勢を貫いてきた。しかし同協会の創設者の一人であるフレデリック・マイヤーズが、死後、自動書記霊媒のジェラルディーン・カミンズを通して交信してきた記録である「マイヤーズ通信」なども残されており、いまだその謎は解明されるに至っていないのである。
*事件発生から40年経った1888年に、姉妹がこの事件はインチキだったと暴露。しかしその発言の背景には家族間のイザコザや精神不安定、金銭問題など複雑な事情があり、また後に姉妹がこの発言を撤回したことから、真相ははっきりしていない。
心霊学を究めたコナン・ドイル
「シャーロック・ホームズ」などの名著で知られる作家のコナン・ドイルは、1880年代半ばごろからオカルトに興味を示し、英国心霊現象研究協会に加入。しかし1906年に妻を亡くし、さらに第一次大戦後まもなくして息子、兄弟、2 人の義兄弟を立て続けに亡くしたことからうつ状態に陥り、急激に心霊学に傾倒していく。霊媒のトリックを次々と暴いた心霊現象研究協会を科学的すぎるとして脱退した後、妖精の捏造写真を信じ込むといった失態を演じたりもしたが(コティングリー妖精事件)、スピリチュアリズムの追求を続け、「コナン・ドイルの心霊学」といった著作も残している。ライターがドキドキ実体験
公開霊媒に行ってきました!
SAGBが行っている、公開霊媒のデモンストレーションに参加してみた。雪が残る平日の夜7時の回とあって参加者は少なく、私を含めて5人。開催場所は「コナン・ドイル・ルーム」というほどよい大きさの部屋だ。大らかな風情の女性の霊媒師さんで、とてもリラックスした雰囲気。前情報では参加者から何人かが選ばれると聞いていたが、人数が少なかったためか、この日は全員に対して霊視が行われた。霊媒師さんいわく、私の周りには杖をついた老女が見えるという。この老女が、霊媒師さんに私のことや私の家族のことを伝えている、ということらしい。発言は必ずしも当たっているわけではないし、全くピンとこないものもある。思いっきりど真ん中を言い当てられる人もいるそうだが、もし事実と違う場合は、違うとはっきり言って良いのだとか。また興味深かったのは、参加者のうち3人がリピーターだったこと。みんな気軽に足を運んでいる様子だった。ちなみに私は近い将来、米国に行くのだそう。ほんとかしら?
公開霊媒(demonstration)
月・金15:30 火・水・木 15:30 19:00 土 16:00、第2日曜18:00
料金: £5(会員£4)所要1時間
The Spiritualist Association of Great Britain
33 Belgrave Square, London SW1X 8QB
Tel: 020 7235 3351
www.spiritualistassociation.org.uk