Claudia Pechstein 1972年2月22日東ベルリン生まれ。スピードスケート選手。連邦警察官。 ©Matt Dunham/AP/Press Association Images |
2009年2月の薬物検査で血液ドーピングと判定され、2年間の出場停止処分を受けた。以来、国際スケート連盟の検査結果はサンプルを取り違えていると反論。さらにドイツ反ドーピング機構には長期間の再検査を提案するなど、一貫して身の潔白を訴えてきた。するとこの3月、ドイツ血液腫瘍学の専門医が「赤血球の産生を促進するホルモン値が高いのは、遺伝性球状赤血球症による溶血性貧血が起こっているから」との新しい診断を発表。さらに先頃はヴィースバーデン行政裁判所から、「家宅捜査で連邦警察庁が行った発言は個人の名誉を著しく傷つけた」とする判決を勝ち取り、笑顔を取り戻している。
1992年アルベールビル、94年リレハンメル、98年長野、2002年ソルトレイクシティ、06年トリノと冬季オリンピックに連続出場。いずれの大会でもメダルを獲得し、5000メートルでは94、98、02年と3連覇を成し遂げた。一時期はマスコミからライバル選手アニ・フリージンガーとの不仲を書き立てられたが、トリノでは仲良くパシュートに出場。共にベテラン選手として優勝を飾った。
しかしドーピング判定により、今年2月のバンクーバーオリンピックには不出場。現在も逆転無罪への辛い闘いを続けている。当初は全く勝ち目がなさそうだったその闘いは今、別の医学判定を受けて新しい段階に入った。出場停止処分が解けるのは来年2月。その1カ月後にバイエルン州インツェルで開かれる世界選手権には、ぜひとも出場したい。「私は無実です」。そのときは39歳になる。