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年間1人当たり9キロのチョコを食べる⁉ ドイツとチョコレートの
甘い関係

カフェのコーヒーカップに添えられた一口サイズのチョコレート、手土産でもらったプラリネ、季節ごとに新作が並ぶスーパーのチョココーナー……。ドイツに暮らしていると、チョコレートから逃れるのは至難の業だ。なんてったって、ここドイツは年間1人当たり約9キロチョコを消費し、チョコの輸出量世界一を誇るチョコレート大国。今月はバレンタインデーということで、そんなドイツの人々の「チョコ愛」を探り、厳選したドイツチョコをご紹介! (文:ドイツニュースダイジェスト編集部)

参考:本誌1139号「チョコレート大国ドイツの愛とおいしさの秘密」

ドイツ人とチョコの愛の物語

ドイツ人とチョコの愛の物語

中南米からドイツへの長い旅路

チョコレートの歴史の始まりは中南米。紀元前に繁栄したオルメカ文明にはチョコレートの原料である「カカオ」に似た言葉があり、最初にカカオを利用したといわれている。その後、マヤ文明(4〜9世紀)ではカカオの栽培を開始し、上流階級の間で飲料として重宝された。またカカオは貨幣や神への捧げものとしての役割も果たしていたという。

16世紀初頭、アステカ王国(14〜16世紀)はスペイン軍の征服によって植民地となった。その後、スペイン人たちがカカオ飲料(チョコレート)に砂糖を入れて飲むようになり、欧州にチョコレートが到来。16世紀末には薬用効果もある高級品として、欧州各地の特権階級や聖職者の間で広まり、需要が高まったことで植民地でのカカオ生産が始まった。

産業革命によって大量生産が可能になると、安価なチョコレートが出回るようになり、1847年には英国で初めて固形チョコレートが生産された。その後、1875年にスイスでミルクチョコレートが誕生すると、ドイツでもミルクチョコレートの生産が盛んに。今日にも残るチョコレートメーカーが誕生したのもちょうどこの頃からで、ドイツの一般市民たちもチョコレートを楽しめるようになった。

戦争を経てチョコレート輸出大国に成長

第二次世界大戦中、ドイツではチョコレートのほとんどは軍向けに生産されていた。そのため、終戦後に米国の慈善団体から寄付されたチョコレートが、初めてのチョコレートだったという子どもも少なくなかったという。しかし、戦後復興のなかでドイツのチョコレート生産は再び息を吹き返す。

現在ドイツは、チョコレートの輸出量で世界一を誇り、全体の16.7%を占めている。こうした背景には、戦後にチョコレートを生産し続けてきたドイツの中小企業による地道な努力があるという。人はチョコレートを食べると幸せな気持ちになるとよくいわれるが、チョコレート生産大国の国民がチョコ好きというのは、当たり前のことなのかもしれない。

フェアトレードでカカオ農家に愛を

チョコレート生産でたびたび話題に上がるのが、児童労働問題や森林破壊などの環境問題。ドイツには、農家と公正な取引を行うフェアトレードや環境にも人にも優しい有機栽培に取り組む企業が多数存在する。さらに近年では大手メーカーもそういった問題に積極的な姿勢をみせている。

実際、ドイツ国内で販売されている菓子において、持続可能な方法で栽培されたカカオを使用しているものの割合は、2011年の3%から2024年には86%となり、年々上昇している。一方、欧州ではフェアトレード認証チョコレートが市場全体の約12%を占めるまでに成長しているものの、世界全体で見ると公正に取引されるカカオのシェアは5%未満にとどまっている。

また、フェアトレード認証といっても、一部の製品に条件を満たした原料を使用しているだけなのか、児童労働を禁ずるような100%フェアな製品なのかなど、マークの種類によって幅があることも問題になっている。

とはいえ、ドイツのように大手メーカーもフェアトレードについて積極的という国は、そう多くはないのが現状だ。世界のカカオ生産量の10%以上をドイツが輸入しているため、チョコレートを愛する国としてこのような公正な取引を行うことはある意味で「使命」。誰もが笑顔でチョコレートを食べられるように、ドイツは世界をリードしていくべきだろう。

参考:日本チョコレート・ココア協会ホームページ、CHOCION ホームページ、OroVerde – Die Tropenwaldstiftung ホームページ、WELTEXPORTE「Die international größten Exportländer von Schokolade」

ドイツ人は年間約9キロのチョコレートを消費!

欧州における年間1人当たりのチョコレート製品消費量

ドイツ人はチョコレートに年間100ユーロ以上費やす

ドイツにおけるチョコレートの推定売上高

ドイツで人気のチョコは「ミルクチョコレート」

1位:ミルクチョコレート
18〜24歳の若年層、および45〜54歳層で支持が高い

2位:ビターチョコレート
高年齢層に特に人気で、ビターチョコ愛好者の約49%が55歳以上

3位:ホワイトチョコレート
35 〜44 歳(子育て世代や働き盛りの家族層)で特に好まれている

人気メーカーから高級老舗までドイツのチョコレート&プラリネ
食べ比べてみた!

本特集のため、本誌と姉妹誌JAPANDIGESTのスタッフが、ドイツ各地の9社のメーカーのチョコレート&プラリネ(一口サイズのチョコ)の食べ比べ調査を実施!今回は、①売上トップ3の定番&新作チョコ、②最新商品テストのトップ3チョコ、③老舗チョコレート店のプラリネの三つのカテゴリに分けて試食。それぞれのブランドヒストリーとともに、スタッフのコメントも参考にしてみて!

ドイツのお菓子業界を代表する チョコレートブランド TOP 3

1 Lotus Biscoff®とのコラボ商品 Milka ミルカ Milka Extra Lotus Biscoff 190g
www.milka.de

Milka Extra Lotus Biscoff

ウシのイラストと紫色の包み紙に入ったミルカは、ドイツで人気ナンバーワンを誇るチョコレート。1826年にスイスでフィリップ・スシャールがココアの生産を始めたのがその起源で、1901年にミルクチョコレートが「ミルカ」として商品登録された。発売当初から、現在もお馴染みの紫色の包み紙が使われていたそう。100% アルペンミルクを使用し、代々受け継がれるオリジナルレシピで作られたチョコレートは、舌触りの良い繊細な味わいが特徴だ。

コメント

ロータス好きには絶対におすすめ!/ロータスのザクザク感も加わって、とんでもなく甘いけどおいしい/砕かれたロータスとチョコレートがよくなじんでいる。ガツンとした甘さで一粒の満足感が高い/ザクザク感が良いけど、自分的には甘すぎて口の中に残りすぎるかも

2 キンダーの人気チョコを詰め合わせた 「Kinder Happy Moments」 Kinder キンダー Kinder Happy Moments 161g
www.kinder.com

Kinder Happy Moments

キンダーの故郷はなんとイタリア。数々のヒット商品を生み出してきたフェレロ社のブランドとして1968年に誕生し、初の海外進出先としてドイツで成功を収めた。日本では、卵型のチョコレートの中からおもちゃが出てくる「キンダーサプライズ」(Kinder Überraschung)が知られているが、イースターの卵から着想を得たのだとか。チョコレートからアイスクリームまで、さまざまな商品ですっかりドイツの味として親しまれている。

コメント

「Kinder Riegel」と「Kinder Schokobons」は子ども時代を思い出す味/懐かしいミルクチョコの味/「KinderRiegel」が甘すぎる……という人に「Dark & Mild」を試してもらいたい/疲れた心に甘い活力をチャージできるのがKinder

3 直近の新フレーバーから「Crispy CHOCO」 Ritter Sport リッタースポーツ Crispy CHOCO 100g
www.ritter-sport.de

Crispy CHOCO

正方形のフォーマットがトレードマークのリッタースポーツ。1912年にシュトゥットガルトでリッター夫妻がチョコレートの生産を始め、戦前の1932年にこの珍しいフォーマットの板チョコが誕生した。常時20種類以上の味が販売されているが、消費者のアイデアも取り入れながら毎年新しいフレーバーが開発され、世に送り出される。また2018年以降は、100%持続可能な方法で生産されたカカオを使用していることを公表している。

コメント

機能美あふれる正方形の中に、フレーバーが凝縮されている非常に満足感の高い食感/チョコレートとクリスプの香ばしさが良いタッグ。甘すぎずさっぱりめ/コーンの香りがふわっとして、意外性があっておいしかった/思った以上に結構香ばしいコーンの味。チョコよりもコーンの味が勝る

Stiftung Warentest からピックアップ! お墨付きミルクチョコレート TOP 3

2025年12月にStiftung Warentestが発表したミルクチョコレートの商品テストから、ドイツメーカーの商品トップ3をご紹介する。

Stiftung Warentest
Stiftung Warentestとは?

消費者に代わってさまざまな商品やサービスをテストしてランク付けする独立した機関で、ドイツ版「暮しの手帖」ともいえる。ここで「良い品質」とお墨付きを得れば、売れ行きは保証されること間違いなし。
www.test.de

1 Lauensteiner Tafelschokolade
Edel-Vollmilch ラウエンシュタイン・タブレットチョコレート・リッチミルク
Lauensteiner Tafelschokolade Edel-Vollmilch
5.95€/80g (2×40g) www.lauensteiner.de

Lauensteiner
Tafelschokolade Edel-Vollmilch

60年の歴史を持つラウエンシュタインは、バイエルン州ルートヴィヒスシュタットを拠点とするチョコレートメーカー。今回の商品テストで見事トップを飾ったのは、同社のカカオ含有量45%のタブレット型ミルクチョコレート。力強い香り、カカオのわずかな酸味、フルーティーさが調和し、多面的な味が評価された。同じタブレットチョコのシリーズでは、ほかにもローズマリー・ライム・ペッパーやジン・レモンなどもあり、革新的なチョコにも定評がある。

コメント

カカオの香りとミルクのコクが絶妙な比率で溶け合い、決して甘すぎることのない品位を感じさせる/薄く作れているのに、風味がしっかりと感じられる

2 REWE Bio Edelvollmilch-Schokolade REWE ビオ・リッチミルクチョコレート
REWE Bio Edelvollmilch-Schokolade
2.19€/100g
www.rewe.de

REWE Bio Edelvollmilch-Schokolade

ラウエンシュタインと同じく「sehr gut」を獲得したのは、ケルン発の大手スーパーREWEによるビオ(オーガニック)のリッチミルクチョコレート。カカオ含有量は37%で、全体的に香り高く、ほんのりバニラと香ばしさが感じられる点が評価された。お手頃価格で上質なカカオを使ったチョコレートを味わいたい人におすすめしたい。

コメント

心地よい甘さでココアの風味あり。毎日食べるのにぴったり/甘味の強いミルクチョコレート。ホットチョコにも合いそう/砂糖が舌に残る感じがなくおいしい

3 Alnatura Vollmilchschokolade アルナトゥーラ ミルクチョコレート
Alnatura Vollmilchschokolade
2.29€/100g
www.alnatura.de

Alnatura Vollmilchschokolade

国内70都市に展開するビオスーパーAlnaturaの自社ブランドのミルクチョコレートが、ドイツメーカーとしては3位の座に。ほんのりと渋み、キャラメル感、ココアの酸味が感じられる点で評価され、gutを獲得した。コーヒーのお供にちょうどいい12.5gのミニサイズも。ほかにも、ダークナッツ、ビターオレンジ、エスプレッソなど10種類以上がそろう。

コメント

ミルク感強め。チョコはなめらかでおいしい/チョコレート特有のビターな風味/素材の個性が光る一枚。噛むほどに深い余韻が広がる

特別な人、特別な日に贈りたい老舗チョコレート店のプラリネ

Elly Seidl
エリー・ザイドル Pralinenmischung München-Serie Föhnlage
(weiße und Vollmilch-Pralinen)
€88.00/600g
https://ellyseidl.de

Elly Seidl 宝石箱のようなプラリネの詰め合わせ

エリー・ザイドルは1918年にミュンヘンにオープンしたチョコレート工房。当時のビジネスは男性中心だったことから、創立者のバーバラ・グラートヴォールは女性経営者としてセンセーショナルを巻き起こしたそう。店名は娘のエリーにちなんで付けられ、その後エリーが事業を引き継いだ。現在は120種類以上のプラリネを展開し、季節限定プラリネや新製品の開発に積極的だ。

コメント

凝ったフレーバーがたくさんあるため、誰しもが自分のお気に入りを見つけられるはず/珍しい素材を使った実験的なチョコも/見た目だけでなく、中の層もちゃんと設計されたチョコ。説明書と一緒に確認しながら食べるのが楽しい/一粒で一つの物語を完結させる。圧倒的な幸福感に満ちる

Rausch
ラウシュ Alkoholfreie Pralinen
19.90€/150g
www.rausch.de

Rausch ノンアルコールプラリネの12個セット

家族経営のパティスリーとして1890年に創業し、1918年にベルリンの高級菓子店として本格的にスタートした。1920年代に開発されたクラシックなプラリネのレシピはラウシュ家によって大切に保管され、今日に至るまでショコラティエたちが愛情を込めて作っている。ベルリンのミッテ地区にあるチョコレートハウスでは、ケーキやアイスクリームなども楽しめる。

コメント

見た目がまずとにかく美しくて、選ぶのが楽しい/一つ一つが繊細な味で、ゆっくり楽しめる/箱がおしゃれで高級感があるためプレゼントにも最適。さまざまな種類があるのでジャケ買いもいいかもしれない/本店のカフェで食べられるチョコレートをベースにした濃厚なケーキもおすすめ

Heinemann
ハイネマン Trüffel mit Champagne
27.50€/220g
www.konditorei-heinemann.de

Heinemann ハイネマン 看板商品のシャンパントリュフ

鮮やかな緑色のパッケージでおなじみのデュッセルドルフのコンディトライ。1932年の創業以来、「最高品質と鮮度」を理念に掲げてお菓子作りを続けている。名物のシャンパントリュフをはじめとするプラリネやケーキは地元の人に愛されるのみならず、欧州で高い評価を得ている。デュッセルドルフ在住の日本人の間では定番の帰省土産にもなっている。

コメント

シャンパントリュフといえばこの味!/しっかりとお酒の味が楽しめ、食べることのできるシャンパングラスのような一粒/おいしい。苦い。上品/噛んだ瞬間にブワッと広がるシャンパンの味/後半にかけてシャンパンのすっきりとした余韻が残るので一粒だけでも大満足

チョコレート好きが訪れたい ドイツの甘い名所

巨大ファウンテンのある博物館から、ドイツ最古メーカーの体験施設、オリジナル板チョコ作りができるショコラワールドまで、チョコレート好きなら一度は行きたいドイツの甘い名所を厳選。見て・学んで・味わえるスポットに行ってみよう。

チョコレートの名所

Chocoversum
チョコヴァーズム Meßberg 1, 20095 Hamburg
www.chocoversum.de

チョコレートの名所

ブレーメン発の老舗チョコレートメーカーであるHACHEZ(ハシェ)が運営するミュージアム。2016年のリニューアルによりインタラクティブな展示へと生まれ変わり、毎年20万人以上のチョコ愛好家が訪れる。巨大なチョコレートファウンテンから始まり、カカオの起源や持続可能性について学べるほか、人気のワークショップではオリジナルの板チョコを作ることができる。ミュージアムショップでは、当館オリジナルチョコ、チョコレートビールやチョコレートティーなどの珍しいドリンク、カカオを使ったコスメまで、あらゆるチョコグッズを販売!

Halloren Schokoladenerlebniswelt
ハローレン・チョコレート体験世界 Delitzscher Str. 70, 06112 Halle (Saale)
www.halloren.de

ハローレン・チョコレート体験世界

1804年創業、ドイツ最古のチョコレートメーカーとして知られるハローレン。その長い歴史と職人の精神を、楽しみながら体感できるのが「ハローレン・チョコレート体験世界」である。館内では、チョコレートの製造工程を間近に眺めることができ、伝統的なレシピと現代的な技術が交差する現場の空気を感じられる。併設のチョコレート・ギャラリーには、精巧で遊び心あふれるチョコアートが並び、思わず足を止めて見入ってしまう。実際にチョコレート作りに挑戦できるワークショップも外せない体験の一つ。

Schokoladenmuseum Köln
ケルン・チョコレート博物館 Am Schokoladenmuseum 1a, 50678 Köln
www.schokoladenmuseum.de

ケルン・チョコレート博物館

ライン川沿いに佇むチョコレート博物館は、香りと甘さに包まれながら、チョコレートの世界を五感で楽しめるスポット。展示やガイドツアー、試食体験を通して、「知る・感じる・味わう」が自然につながる構成も魅力だ。なかでも圧巻なのが、高さ約3メートルから約200キロものチョコレートがとろりと流れ落ちる名物のチョコレートファウンテン。館内では、ガラス越しに製造ラインやチョコレート工房を見学でき、カカオ豆が一枚のチョコレートになるまでの工程を間近で追体験できる。

Ritter Sport Bunte Schokowelt Waldenbuch
リッタースポーツ・チョコレートワールド Alfred-Ritter-Straße 27, 71111 Waldenbuch
www.ritter-sport.com

リッタースポーツ・チョコレートワールド

リッタースポーツ(p10)の世界観を体験型で楽しめる施設。最大の魅力は、オリジナルの板チョコを作れるワークショップで、子どもから大人まで幅広い層に人気だ。体験を通じて、カカオの特性や品質へのこだわり、さらにはサステナビリティへの取り組みについても学ぶことができる。併設の展示スペースでは、100年以上にわたるブランドの歩みをたどりながら、カカオ栽培から製品化に至るまでのプロセスを分かりやすく紹介。併設ショップには、限定フレーバーや特別商品があるので、お見逃しなく。

ドイツでもバレンタインデーはチョコが人気?

バレンタインデー

日本のバレンタインデーでは、女性が思いを寄せる男性にチョコ レートを贈る……という伝統(?)があったが、近年は職場の男性な どに贈る「義理チョコ」をはじめ、友人同士で贈り合う「友チョコ」、自分へのご褒美として「マイチョコ」、男性が女性に贈る「逆チョコ」などなど、そのバリエーションは時代と共に増え続けている 。では、ドイツではバレンタインデーをどのように過ごすのだろうか?

そもそも2月14日は、3世紀のローマで恋人たちの守護聖人である聖バレンタインが斬首された日。その後、15世紀の英国で2月14日にカップルがお互いに小さなプレゼントや詩を贈り合ったことが、今日のバレンタインデーにおける贈り物文化の始まりとされている。その文化がドイツにもたらされたのは、1950年のこと。ニュルンベルクでバレンタイン舞踏会が開催され、恋人同士のみならず、家族や友人同士でも贈り物を交換したのだそう。そして、西ドイツの経済発展とともに贈り物をする人たちが増えていったという。

ドイツでは今もなお、バレンタインデーはカップルが贈り物をする日として認識されているが、同時にバレンタインデーがあまり重要視されなくなってきた傾向も。IPPEN.MEDIAが2025年1月に実施したアンケート調査によると、バレンタインデーに贈り物をすると答えた人はわずか28%で、27%は未定、45%はプレゼントしないと回答した。その背景には、昨今の節約志向の影響もありそうだ。

同調査によると、バレンタインデーで一番人気のプレゼントは花(40%)。次いでチョコレート・プラリネ(26%)がランクインしている。さらに、香水・化粧品(22%)、食事やアクティビティ(20%)、手作りの品(9%)、アクセサリー・洋服(8%)と続く。もしパートナーへの贈り物に迷っていたら、やはりチョコレートを贈るのが無難なのかもしれない。もちろん相手を思う気持ちも忘れずに!

参考:Pepper「Umfrage zum Valentinstag: 15 Fragen, 15 Antworten」、Statista「VALENTINSTAG Die schlimmsten Geschenke zum Valentinstag」

チョコレートがぜいたく品になる?

カカオ豆

ドイツ連邦統計局によると、2025年10月時点のチョコレート製 品の価格は、前年同月比で21.8%上昇した。なかでも板チョコは 30.7%と突出した値上がりを見せ、プラリネも22.1%高となっている。これに対し、同時期の消費者物価全体の上昇率は2.3%、食品全体でも1.3%にとどまっており、チョコレートの価格上昇がいかに例外的であるかが分かる。

こうした急騰の背景には、原材料価格の大幅な上昇がある。統計局によれば、砂糖の生産者価格は2020年比で2倍超に達し、カカオ豆も世界市場で一時、過去に例を見ない高値を記録した。西アフリカでの不作に加え、国際市場における投機的取引が価格を押し上げたことが主因とされる。

問題となるのは、原材料価格が下落に転じた後も店頭価格が下がっていない点である。砂糖の生産者価格は2024年秋以降に下落し、2025年6月には前年同月比で40.2%のマイナスとなった。カカオ豆の輸入価格も、2025年9月時点で前年同月比4.0%低下している。それにもかかわらず、チョコレートの小売価格は高止まりしたままだ。

もちろん、エネルギー費や人件費、物流費の上昇が続いている現実は無視できない。特に小規模なショコラトリーにとっては、コスト増は経営の存続を左右する深刻な問題である。手仕事によるチョコレートと、大量生産の工業製品とでは、同じ「値上げ」であっても、その意味合いは大きく異なる。

それでもなお、ドイツ人のチョコレート愛が簡単に揺らぐ気配はない。消費者は購入量を抑えたり、セール時期を狙ったりと工夫を重ねながら、日常の甘い習慣を守ろうとしている。専門家は、価格を比較する際には必ず100グラム当たりの表示を確認すること、そして需要が落ち込みやすい時期の割引を賢く活用することが重要だと指摘している。

 
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