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Mi. 18. Okt. 2017

喜怒疲楽のカヌー旅日記 父なるライン川を漕ぐ 吉岡 嶺二カヌー旅マップ

旅の終わりは、お楽しみ三昧

とんだ結末で川旅が終った。2012年7月3日、カヌー本体と残りの荷物を仮梱包し、電車でデュッセルドルフへ向かった。本誌編集部との打ち合わせのためだ。身支度一切を買い整え、郵便局からカヌー一式を送り出した。ウィーン発の帰国便までまだ10日もある。行き当たりばったりの放浪の旅に出た。ケルン、フランクフルトからロマンチック街道へ向かい、点在する中世の城郭都市を訪ね歩いた後、ミュンヘンを経てオーストリアに入った。この間のトピックスについて、以下に記しておく。

ミュンヘンのドイツ博物館(Deutsches Museum)

世界最大の産業博物館と言われているが、ここで船舶と印刷のコーナーをじっくりと観た。ファルトボートの元祖であるクレッパー社の初期の艇が展示されていた。長さ5.2m(わが艇は3.1m)、重さ37kg(同11kg)で、2本マスト付きの重量艇だ。1930年代には、このどでかい舟を担いでツーリングに出掛けるための専用列車が運行していたという写真も飾られていた。

サマー・ビール・フェスティバル

ミュンヘンの英国庭園にある中国の塔の特設ステージでチロル、バイエルン地方の伝統衣装を着た男女が踊っていた。観衆に交わり、念願の「アイン・プロジット!」。金色のグラスを高々と掲げた。

アルプス・トレッキング

インスブルックを早朝に発ち、バスで1964、76年冬季五輪の会場となったパッチャーコーフェル山(標高2246m)へ。ところがロープウェイは運休。ならば歩くしかない。登山口から900mの標高差だが、頑張ってみよう。すでに使われなくなった山道を踏み分け、牧場へ出た。図体の大きな放牧牛がスクラムを組んですり寄ってくる。ちょっと緊張するが、彼らだって臆病だ。「雲が行く雲が行く。アルプスの牧場よ」の歌の通りだ。6時間も歩いて山頂に達し、銀嶺のパノラマ景観を独り占め。若き日には考えてもみなかったことをやってしまった。

インスブルックの町
アルプスの山頂からインスブルックの町を見下ろしてきた。
盛夏だというのに、背後の山々が銀嶺に輝いていた


ドナウ川、ヴァッハウ渓谷クルージング

ドナウ川流域の町クレムスから遊覧船に乗り込んだ。ヴァッハウ渓谷沿いに、メルクまで2時間の旅だ。渓谷と言っても川幅は広く、谷底からぶどう畑をたどり、古城を眺めながらワイングラスを片手に過ぎていく。と書けば優雅に聞こえるが、本来の目的は来年以後に計画している旅の下見だ。ライン川を上回る欧州随一と言われる流れの迫力はすさまじい。どうしようか。

ウィーン国立歌劇場コンサート

最後の夜は、オペラ座の天井桟敷から舞台を覗き込むようにして過ごした。夏場、休演となるオペラに代わってコンサートが開かれていた。中世風の衣装姿のステージは華やかだった。曲目もモーツァルト、ヨハン・シュトラウスのポピュラーなものばかり。「美しき青きドナウ」「ウィーンの森の物語」と続いて「ラデッキー行進曲」で幕が降りた。旅の最後を飾る思い出となった。

さて、この先のことだが、今夏はトルコの海へ行く。7月7日の午前中、イスタンブールのボスポラス海峡が、2020年夏季五輪招致イベントとして、ミニボートとスイマーのために航路が解放されるという。欧州~アジアを漕ぎ渡る絶好のチャンス。すでに航空券等の手配はした。8回にもわたり、独りよがりの旅行記を読んでいただき、どうもありがとうございました。

 
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吉岡 嶺二吉岡 嶺二(よしおか・れいじ)
1938年に旧満州ハルビンに生まれる。早稲田大学卒業後、大日本印刷入社。会社員時代に、週末や夏休みを利用して、カヌーでの日本一周を始める。定年後はカナダ、フランスやイギリスといった欧州でのカヌー旅行を行っている。神奈川県在住。74歳。
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