ほっこりと家の中で温かいお茶をすすりたくなる、秋本番になってきました。ドイツではハーブティーを筆頭にお茶の種類がたくさんあるものの、やはり心のどこかで「おいしい『日本の緑茶』が飲みたい」という方も多いのではないでしょうか。今回は、緑茶に魅せられて日本のお茶農家と提携し、オンラインショップを開いたザーシャ・コービッツ (Sascha Kobitz)さんをご紹介します。
ザーシャ・コービッツさん
ロストック在住のザーシャさんは、もともとコーヒーよりもお茶派で、さまざまなお茶を飲んでいたそう。そんな彼が緑茶に目覚めたのは、16歳の時。日本の緑茶のおいしさにハマればはまるほど、ドイツのスーパーマーケットで販売されている「グリーンティー」では物足りなさを感じるようになりました。インターネットで高品質な緑茶を探すものの、高価なものばかりでなかなか手が出ません。
どうしたものかと考えていたザーシャさんは、「自分で輸入して、品質が良くかつ購入しやすい価格のお茶を販売できるようにすれば良いのでは」と思い付き、2020年2月にオンライン緑茶・抹茶専門店「SHO.CHA(ショチャ)」をオープンしました。お茶は、宮崎県と静岡県にある4カ所の提携お茶農家からの直輸入。各茶畑の味わいを楽しめるようにと、それらをブレンドすることなく「一商品につき一農家の無農薬茶葉」という徹底ぶりです。また、日本からドイツへ輸入する際のドイツ当局による農薬検査でも「農薬検出0%」が証明されているとのこと。ちなみに、「この証明書を発行するのは、かなりの出費でした。でもドイツで販売するにはとても重要なので仕方がありません」とザーシャさんは苦笑いしていました。
おいしいお茶をたててくださいました
もちろん、ここまでの道のりは決して簡単なものではなかったそう。購入しやすい価格を実現するため、直接ドイツにお茶を輸出してくれる日本のお茶農家をインターネットで探し、英語でメールを送ったはいいものの、言語の問題でほとんど返事が得られなかったといいます。そんな時、日本貿易振興機構(ジェトロ)から日本在住の日本人をサポーターとして紹介してもらい、ビジネスを軌道に乗せていきました。
SHO.CHA ウェブサイト:www.sho-cha.com
そんな経験もあって、ザーシャさんは2年半前から本格的に日本語を学び始め、今では日本語でメールをやり取りするほどに。SHO.CHAのインスタグラムでは、煎茶や抹茶を使ったレシピのほか、日本語ミニ講座も定期的に投稿されています。「お茶を輸入させてもらっている日本の農家の皆さんには、実はまだ会ったことがありません。彼らに会いに、早くまた日本に行きたいです」と目を輝かせて語るザーシャさん。SHO.CHAには、彼のお茶と日本への温かい思いがぎゅっと詰まっています。
SHO.CHA ウェブサイト:www.sho-cha.com
Instagram: @shocha.store
ロストック在住。ドイツ北東地方の案内人、そしてシュヴェリーン城公認ガイド。ツイッターで観光、街、大好きなビールについて、ほぼ毎日つぶやいています。
Twitter: @rostock_jp
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