ジャパンダイジェスト

ロストックで釣りに挑戦! 自作のニシン一夜干しで舌鼓

新鮮でおいしい魚が食べたい。ドイツに住む多くの日本人が望んでいることだと思います。ロストックに住んでいると、「海が近いからおいしい魚がたくさん食べられるんでしょう?」と聞かれますが、正直なところ、スーパーの魚コーナーはほかの都市とそれほど変わりません。魚屋さんがそこら中にあるわけではないし、そもそもバルト海には、日本の海のように多種多様な魚がいないので、実は今まで諦めていました。

釣り人が集まる岸釣り人が集まる岸

しかし! 釣り人である友人から「ロストックの港で今ならニシンがじゃんじゃん釣れるよ」という情報をゲットしました。港で釣り人を見かけることはよくありましたが、私自身は釣りに興味がなかったので、まさかニシンがいるとはつゆ知らず。しかもロストックの港は、ワルノー川沿いにあるので、入り江に淡水と海水が混ざる場所があり、そこで3~4月にかけてニシンの群れが産卵のために集まってくるのです。

釣れたてのニシン!釣れたてのニシン!

「バルト海の銀」とも呼ばれるニシン。昨今では漁獲量が激減しているというニュースも聞いていたので、本当にそんなに釣れるのかと半信半疑で港に降りました。するとそこには、きれいに間隔を開けて並ぶ釣り人たちがずらり。黙々と釣竿を振りかぶって糸を投げ、リズミカルに動かしながら糸を巻いていくと、次から次へとキラリと光るニシンが釣り上げられています。わが家も静かに大盛り上がり。こんなに釣れるものかと驚きながら、最終的に20匹を家に持ち帰りました。

ところで、日本に住み続けていたら絶対にしなかったことをする、という機会が海外に住んでいると少なからずありますよね。例えば、海外では入手困難な日本のものを自作するとか。そういうわけで、今回は「ニシンの一夜干し」をこしらえることになりました。数年前に日本から持ち帰ってきた青い干物用のネットに、下処理をしたニシンを並べます。それをベランダにぶら下げて干してみると、その絵と香りはまるで日本の漁港さながら。翌日、焚火をした際に炭火で焼いてみましたが、感涙もののおいしさです。ホッケのような深い味わいに、今は本当にいろいろな意味で遠くなってしまった日本をしみじみと思い出すのでした。

一夜干しを炭火で焼いていただきます一夜干しを炭火で焼いていただきます

最後に、ここで釣りをするためのミニ情報を。ロストックのあるメクレンブルク=フォアポンメルン州で釣りをするには、運転免許証のように「釣り免許証」(Fischereischein)の取得が必要ですが、4週間の有効期限付きで良ければ「観光用釣り許可証」(Touristenfischereischein)を観光案内所や釣具店で購入できます。それに加えて、釣りをすることができる水域の「水域カード」(Gewässerkarte)の購入が必須です。とってもドイツらしいシステムですよね。

もうしばらくはレストランでの食事は我慢をしなければならなさそうですが、こうして自然の恵みを味わうのもいいものです。

ハス エリコ
ロストック在住。ドイツ北東地方の案内人、そしてシュヴェリーン城公認ガイド。ツイッターで観光、街、大好きなビールについて、ほぼ毎日つぶやいています。
Twitter: @rostock_jp
griffin-guides.com
 
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