皆さんは、ビールにどんなイメージをお持ちですか?
「ビールは肥満の元だし、体に悪い」ですって!?トンデモナイ!実はビールは低カロリーで、栄養成分も豊富。明治時代の日本では薬局で売られていたこともあるほど、とても健康的な飲み物なのです!
まずは、カロリーから検証してみましょう。ビール100mlのカロリーは39kcalです。同じ量の赤ワインは75kcal、日本酒110kcal、ウイスキーは何と242kcalです。ノンアルコールの飲み物では牛乳68kcal、コーラ40kcal、オレンジジュース41kcal。ちなみにご飯1膳(140g)は168kcalです。ビールの場合、1度にたくさんの量が飲めてしまうことを考えても、ほかの飲み物と比べてカロリーが高いということはありません。「アルコールはゼロカロリー」とも言われます。これは、飲んだ分だけ体温が上昇して、カロリーが消費されるためです。
では、なぜビールを飲むと太ると言われるのでしょうか? それはビールには胃腸の働きを良くする作用があるので、飲みながらつい食べ過ぎてしまうためでしょう。ビールにはホップから出る苦味がありますが、本来、苦味には胃腸の消化液や唾液の分泌を促進する働きがあります。漢方の胃薬が苦いのも、これと同じ理由からです。また、炭酸には胃腸の動きを活発にする作用があります。ビールはこってりとしたドイツの肉料理にもよく合うので、つい食べ過ぎてしまうのかもしれません。
ビールは栄養面でも優れています。古くから「液体のパン」とも呼ばれ、中世には断食期間中、栄養補給のために飲まれていましたし、大航海時代には脚気(かっけ)を予防する飲み物として船に積み込まれていました。ビールには16種類のアミノ酸、17種類のビタミン、14種類のミネラルなど50種類以上の栄養素が含まれているので、適量を守って飲めば最高の栄養食品となりうるのです。
ビールには善玉コレステロールを増やす作用があり、
右側の模型のように血管が狭窄するのを防いでくれます
美容に気を使う女性には、ビール酵母がたっぷり入ったヘーフェ(酵母)ヴァイツェンがお薦めです。ビール酵母にはすべての必須アミノ酸、ビタミンB群、食物繊維、ミネラルが豊富に含まれているので、サプリメントとしても効果的です。エジプトでは、女性の洗顔に使われていたという説もあるほどです。あのクレオパトラも、ひょっとしたらビールで美しさを保っていたのかもしれません。
しかし、残念ながらビールを飲んではいけない人もいます。アルコール中毒、肝臓病、痛風の症状がある人は我慢が必要です。痛風は尿酸が体内に蓄積し、関節に激痛が走る病気ですが、ビールには尿酸の元になる物質、プリン体が多く含まれているのです。
何と言ってもビールは最高のストレス解消薬にして、人間関係の潤滑油!緊張する間柄だったのに、飲んでいるといつの間にか打ち解けて楽しくおしゃべりをしているなんてこと、よくありますよね。泣きながらワインは飲んでも、泣きながらビールというのは聞いたことがありません。今年もビールを飲んで、笑って健康になりましょう!
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