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ドイツ留学
Mi. 20. Jun. 2018

ドイツ歯科事情

ドイツの歯科治療の話になると、「すぐに歯を抜こうとするから行きたくない」「ドイツ人の大きな手で歯を治療されるのは嫌だ」「全身麻酔をすることもあるから怖い」と、事実かどうかは別として、ネガティブなイメージが先行しがちです。しかし、日独どちらも世界に誇る先進国。医療の基本は同じはずなのに、なぜこんなにも認識に差があるのでしょう。当コラムでは、実際の日本とドイツの歯科治療の違いや、国民性や社会的背景も踏まえてお伝えいたします。

歯科医師 宮川順充
1971年札幌生まれ。95年歯科医師資格、2003~07年オーストリア・ドナウ大学院大学の講師およびルドルフィナーハウス病院内歯科医院(ウィーン)勤務。08年歯科医療技術インスティテュート IDEA(カリフォルニア)顎機能矯正学部門講師。09~13年ランドハウス歯科医院勤務。14年より同院の経営パートナー。 www.landhausstrasse.com

海外旅行と保険についての話 1

「いつかは海外旅行を」。つい35年程前まで、海外旅行は日本人にとって大きな憧れでした。その当時は海外で仕事や生活をする人は、一部の人に限られており、一般市民には夢物語。

しかし、1985年に行き過ぎたドル高の是正を目的として開催されたプラザ合意後、急速に進んだ円高によって海外渡航への門戸が一気に開かれました。現在では、季節や渡航先によってはコストが国内旅行よりも低く抑えられることや、多くの国が旅行客による経済効果促進を目的に観光ビザ申請を省略、または簡易化しているため、老若男女問わず、旅行先に海外を選択することはごく普通のことになりました。さらに、この10年で日本とワーキングホリデー協定を結ぶ国が急増し、多くの若者が海外に出て見聞を広めるチャンスを掴むことができる時代に。1980年代前半における日本人の出国者数は400万人ほどでしたが、昨年度は約1800万人と4倍以上に増加しており、この波は今後も続くと考えられます。

さて、海外で楽しい時間を過ごすことが簡単になったとはいえ、海外旅行には昨今問わずトラブルが付き物です。その中でも一番厄介なのが渡航先での病気。事故による外傷や食中毒、疲労や環境の違いから起こる体調不良など多岐にわたります。「旅行保険に加入してるから問題ない」と思われるかもしれませんが、実はここに大きな落とし穴があるのです。

海外旅行の際には旅行会社の団体ツアーであれば保険込みのことがほとんどで、個人旅行や短期出張・留学の場合にも大抵の方が民間保険会社の保険に加入済みです。しかし海外旅行保険で適用される疾病は緊急性があることが前提で、さらにあまり知られていない適用外のケースが多くあるのです。各保険会社によって多少の差はありますが、海外旅行保険で一般的に支払われない疾患や状況は以下の通りです。

  • ● レントゲンなどで医学的に確認のできない、むち打ち症や腰痛
  • ● 妊娠に関係する体調の悪化
  • ● 登山やダイビング、ボブスレー、スカイダイビングなどの危険を伴う活動に起因するもの
  • ● 持病、慢性疾患に対する治療(旅行中も支出することが予定されていた費用など)
  • ● 理学療法費用
  • ● 放射能汚染
  • ● 心神喪失
  • ● ケンカや犯罪行為による怪我
  • ● 治療や療養目的による渡航
  • ● 戦争や紛争、武装反乱など
  • ● 歯科疾患(各種保険により対応はさまざま)

これらの支払われない適用外の項目を見て驚かれた人も多いことでしょう。海外旅行保険はもともと健康である、もしくは心身共に特に問題がないということが前提で、不測の事態が起こった場合に保険金が支払われます。

旅行保険というと、怪我や病気の治療費が最初に思い浮かぶ人が多いかもしれませんが、それ以外にも傷害死亡保険金、救援費用、携行品の盗難や破損、航空機遅延や欠航時の補償などカバーする範囲はとても広いのです。

また各保険会社の保険料金は日額で300~500円(オプションやランクで金額差あり)とリーズナブルな設定が多く、この保険料を考えると適用外の疾病が多くても当然ともいえます。このように、加入するのはあくまでも「旅行保険」であり、決して「医療保険」ではないという認識が重要になります。

年間に1800万人が出入国をする昨今、海外旅行をするのは小さな子供から年配の方まで年齢層はさまざま。「海外旅行保険が頼りにならないんだったら、心配で海外になんて行けない」と思われるかもしれません。しかし、そのような時のために、海外旅行や出張などの渡航者に対して「海外療養費」という医療サポート制度があることはご存知でしょうか。海外療養費とは海外でやむを得ず海外の医療機関で診療を受けた場合、申請により一部医療費の払い戻しを受けられる制度です。

次回のコラムでは、海外療養費についての情報と歯科医療で海外療養費を申請する際の留意点などをお伝えいたします。

 
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