「知っている」を意味する動詞kennenとwissenの違いは?
「kennen」と「wissen」は、日本語では同じ「知っている」を意味する動詞。今回はこの二つの動詞について、しっかり解説します。
ドイツ語学習者が「kennen」を初めて使うのは、おそらく自己紹介のときでしょう。「クラウディア・シュミットと申します。あなたは?」「山田太郎です。知り合えてうれしいです」。このような会話の後に、事実として「Ichkenne Claudia」(私はクラウディアを知っている)ということができます。人のほかにも、場所や映画・本などの名前や、実際に行ったことや見た(読んだ)ことがあるものについて「知っている」というときは「kennen」が用いられ、必ず「kennen+名詞/代名詞」の形を取ります。
一方「wissen」を使うのは、自分の経験や見聞を通じて得た知識として「知っている」場合です。「知っている」対象は具体的な情報で、例えば「Weißt du, wannShakespeare gestorben ist?」(シェイクスピアがいつ死んだのか知ってる?)のように、通常は副文が用いられます。
また、使う動詞によって意味が変わってしまうパターンも。例えば、A「Eva sagt, sie fühle sich einsam in der großen Stadt. Ich kenne das」と、B「Ich weiß, dass Eva sich in der großen Stadt einsam fühlt」の違いは何でしょう? Aでは、エファが大都市で孤独を感じると言っており、「その気持ち」を知っていることを意味します。一方、Bは「エファが大都市で孤独を感じていること」を知っているという意味。どちらの動詞がふさわしいかを考えながら使い分けてみてください。
「kennen」を使う表現
Ich kenne den Eiffelturm. (私はエッフェル塔を知っています)
A: Kennen Sie Leipzig?
(ライプツィヒを知っていますか?)
B: Ja, ich war schon einmal da. / Nein, ich bin noch nie dort gewesen.
(はい、一度行ったことがあります/いいえ、まだ行ったことがありません)
「wissen」を使う表現
Ich weiß, dass der Eiffelturm in Paris ist. (私はパリにエッフェル塔があることを知っています)
Mutter: Ich weiß nicht, wo deine Schwester ist. Weißt du es?
(母:あなたのお姉ちゃんがどこにいるか分からないわ。知ってる?)
Kind: Ja, sie wollte einkaufen gehen. / Nein, keine Ahnung.
(子:うん、買い物に行ったよ/ううん、全然分からない)