91コロナ時代の貯蓄方法④:ETF で年金積立
これまで、老後の資産形成にはETFでインデックス貯蓄をすることが重要であることをお伝えしました。そしてさらにリュルップ年金やプライベート年金保険としてETF インデックス積立を行えば、大きな税制上のメリットが得られます。また証券口座のETFは使ってしまえばもちろんなくなりますが、年金保険の場合は終生年金として生きている限り毎月受給できるので、長生きリスクに対して有効です。
● ETFでの年金積立がお得
年金保険の手数料は証券口座手数料よりも高いですが、税制メリットを考えればお得です。老後資金であれば途中で現金化することはないので、年金保険の方が有利ということになります。また証券口座を使って売買する場合は、多少の売買手数料と共に売却益があれば約26%のキャピタルゲイン税(Abgeltungsteuer)がかかることに。ところが年金保険では、ETFの中身を株式から債券にまるごと入れ替えたとしても、余計に手数料がかかることはありません。さらに、キャピタルゲイン税は一括受給まで先延ばしできるので、より効率良くある程度のアクティブ投資も可能です。
ただし、年金保険は証券口座のようにリアルタイムでの売買はできないので、ETFの変更が反映されるまでには数日のタイムラグがあります。しかしこれは、相場が下がった時に狼狽売りなどをするリスクを軽減するため、一般の人にとっては逆にメリットともいえます。お金を貯めて増やすには、相場を気にせず愚直に積み立てることで複利効果も高まるのです。また、プライベート年金保険なら途中で一部引き出しも可能ですが、老後のために積み立てるのですから、そのオプションを利用しないに越したことはありません。
● 老後プランに合わせた年金保険の選択を
銀行預金だと利率は0.1%もありませんが、リュルップ年金の場合は積立金額が控除され、右記のおよそ境界税率の割合で還付されます。反対に、受給時には所得として課税対象になるので、積立額の控除が全てメリットにはなりません。プライベート年金の場合は、積立額は控除されませんが、一括受給時には運用益の半分のみが所得税課税対象に。毎月受給の場合、受給開始年齢によって割合は変化しますが、67歳からの受給では約83%が非課税となります。
どちらを選択するべきかは、いつ年金保険積立を始めるのか、年金受給見込みはどのくらいなのかによって異なります。また、両方の年金保険の組み合わせも可能です。
*個別の貯蓄・年金保険相談は、お気軽にお問い合わせください。
リュルップ年金 | プライベート年金 | |
積立額の税控除 | あり | なし |
税制メリット | 積立額が控除対象 | 一括受給時は運用益の半分のみが所得税課税対象 |
受給時課税 | 課税対象 | 83%非課税(67歳から受給の場合) |
受給方法 | 毎月年金のみ | 毎月年金または一括受給 |
受給条件 | 期間12年以上かつ63歳以上 | 期間12年以上かつ63歳以上 |
相続 | 配偶者 | 誰でも可 |
途中解約 | 不可 | 可 |
シングル | 既婚 | ||
課税年収 | 境界税率 | 課税年収 | 境界税率 |
10,000€ | 16% | 20,000€ | 17% |
15,000€ | 31% | 30,000€ | 31% |
20,000€ | 30% | 40,000€ | 30% |
30,000€ | 34% | 60,000€ | 34% |
40,000€ | 40% | 70,000€ | 39% |
50,000€ | 45% | 90,000€ | 44% |