1974年5月3日ヴィースバーデン生まれ。TVジャーナリスト。
©SWR / Peter A. Schmidt
2012年から、公共放送ARDの報道番組「Tagesthemen」で代用キャスターを務めている。今年9月後半から数週間、顔一面に髭を生やして登板、視聴者を驚かせたが、10月初旬には再び髭なしのイケメン姿に戻り、またまた注目を集めた。
イタリア人の父、ドイツ人の母から両国の言語を教わり、加えて英語教師だった母から英会話も鍛えられたトリリンガルだ。米国人女性と結婚し、4歳の男女の双子と1歳半の娘の父となった今では、家庭内に3カ国語が飛び交って騒がしいほどだという。
仕事で世論を沸騰させたのは、12年6月28日。サッカー欧州選手権の準決勝でイタリアがドイツを相手に2点を先取し、前半が終了。休憩中にTagesthemenが入り、番組の最後に「“顔は心の声”とはダンテの言葉。私の顔が今どんな声を漏らしているか分かりませんが、正直引き裂かれる思いです。願わくばche vinca il migliore、より強き者に勝利あれ」と結び、大反響を呼んだのだ。
今回の髭騒動も、メインキャスターだったトム・ブーローがWDRの運営トップへと異動し、空いた席に自分ではなく、口髭を生やす23歳も年上のトーマス・ロートが選ばれたことへの抗議ではないかと外野は噂していたが、やはり動きがあった。今度は本人に米国赴任の辞令が下りたのだ。ワシントン支局と言えば米国留学中に研修生となり、TVジャーナリストへの一歩を踏み出した場所。また前キャスターのブーローと現ロートが共に経た重要な特派員ポジション。実のところ、素晴らしいキャリアチャンスをものにしたのかも。
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