近年ドイツでは、夏生まれの赤ちゃんが多いという。数年前までは多くの赤ちゃんが2~4月に生まれていたが、現在は7~9月にシフト。2019年は7月の出生率が最も高く、1日当たり平均2.344人の赤ちゃんが生まれ、最も出生率の低い12月は1.953人となっている。
1970年代まで春生まれの赤ちゃんが多かった理由は、農業と深い関係がある。人々は夏の時点で収穫が見込まれていた場合に子どもを望むため、その9カ月後に当たる春に出産するケースが多かった。また、避妊方法が普及したことで計画的な妊娠が可能となり、春の出産をさらに増加させたという。
マックス・プランク研究所の人口統計学者のヨシュア・ヴィルデ氏によると、夏の暑い時期は流産が多くなるため、気候変動が進む今日は春の出産が少なくなる傾向にある。また、夏生まれの赤ちゃんが増加する現象は、多くの欧米諸国で共通してみられるという。
15 Nov. 2024 1230号
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