父親からクリスマスにパソコンを贈られ、大はしゃぎする若い男性。嬉しさのあまり、仕舞いにはツリーを倒してしまうというオチに続き、「クリスマスはツリーの下で決まり!」という決め台詞が流れる――現在放送中の家電量販大手メディア・マルクトのCM だ。ツリーの下にプレゼントが集められるクリスマスの風習にあやかって消費者の購買意欲を誘うこのCM が今、ちょっとした論争を巻き起こしている。プロテスタント教会が「クリスマスは神が人類に救世主イエスを贈られたことを祝う行事だ」と抗議すれば、南バーデン地方では教区長がメディア・マルクト商品の不買運動を呼び掛けているという。一方、同社は「CM でイエスの生誕物語を描くつもりはなく、クリスマスセール開催の告知をしたいだけ」と反論。クリスマスの商業化をめぐる議論も、ドイツでは冬の恒例行事になっているようだ。
1 Nov. 2024 1229号
ベルリンの壁崩壊35年
壁崩壊後のドイツで
見えない壁を見るために