医療保険会社が被保険者に対し、臓器提供の意思を定期的に書面で問うという新規定が連邦議会で可決されたことは記憶に新しい。ただ、いくらドナーになる用意があっても、提供基準が不明瞭だったら? 臓器移植常設委員会の調べでこのたび、ゲッティンゲンの大学病院の医師が、自身が受け持つ透析患者のカルテを改ざんし、実際より重病であるかのように見せ掛けて、肝臓の移植待ち患者リストの上位に来るよう便宜を図っていた事件が発覚した。今年6月に、ドイツで臓器移植を受ける資格のないロシア人患者に移植手術が施され、その患者のカルテに改ざん箇所が見付かったことを機に発覚した同様のケースは、なんと計25件。この医師は事件発覚直後に解雇されたが、斡旋金が絡んでいたかどうかについては調べが続いている。新規定の行方に暗雲立ち込めたり……。
15 Nov. 2024 1230号
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