「バッハを聴けば、すべてが見付かる」。バッハの音楽を、かつて作曲家ブラームスはそう称えた。しかし彼自身、アマゾンの森に住むフラジオレットミソサザイという鳥の鳴き声がバッハ音楽の中に潜んでいるとは考えなかっただろう。このたびその事実を発見したのは、バイエルン州にあるマックス・プランク鳥類学研究所のチーム。彼らは、この鳥が西洋音楽の音程や音階を完璧にマスターして歌っている(鳴いている)ことを発見したのだ。しかも、鳥たちが奏でるハーモニーの中に、バッハやハイドンの楽曲のモチーフと非常によく似た曲節があり、複数の鳥が同時に歌うと、各々が特定のパートを担当するという。さすが、当地の原住民たちが昔からその卓越した音楽的才能を認め、神話や芸術の中で崇めてきたという鳥だけのことはある。
15 Nov. 2024 1230号
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