ドイツでキリスト教徒の宗教離れが言われて久しいが、宗教行事のあり方にも変化が起きている。ヘッセン州バート・ホンブルクのある保育園では現在、聖マルティン祭の改名が検討されているという。同園が考えている名前は「太陽・月・星祭」。昔、この祝祭でそれらの形をしたパスタ入りのスープが提供されていたことに因んでいる。保育園は改名の理由を、多文化・宗教圏の子どもに対する差別を避けるためとしているが、そこで提灯行列や焚き火をすることに変わりはない。イスラム中央評議会の会長でさえ、「小学生の頃、喜んで提灯行列に参加したよ。聖マルティヌスはイスラム教徒にとっても手本にすべき存在だしね」と語る。宗教色が薄れても、人々に自然に受け入れられ、続いている行事なら、そこまで名前にこだわる必要はないのかも。
15 Nov. 2024 1230号
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