ケルンに住みはじめて3年以上がたってなお、これまで知らなかった場所に足を運ぶたびにこの街のもつ魅力に触れています。なかでも、ケルン大聖堂をライン川沿いに少し北上したエリアには、ケルン彫刻公園(Skulpturenpark Köln)やフローラ・ボタニカルガーデン(Flora und Botanischer Garten)など、春が心待ちになるような自然豊かな美しい空間が広がっています。
藤本壮介さんの作品「Garden Garelly」(2011)
ケルン彫刻公園の敷地内に点在する作品のうち、真っ白な壁と四角い開口部が印象的な作品は、日本の建築家・藤本壮介さんによる建築。昨年開催された大阪・関西万博のシンボルである「大屋根リング」を手掛けられたことをご存知の方も多いのではないでしょうか。また、公園内ではケルンで精力的に活動されていた現代アーティストのイケムラレイコさんによる猫の少女のブロンズ像も見ることができます。屋外に配置された作品と、その日の天気や時間の移り変わりといった自然そのものとが次第に調和し溶け合ってゆく、どこか心が洗われるような空間です。
ケーブルカーから見渡すケルン大聖堂とライン公園
そして、彫刻公園の向かいに広がるフローラ・ボタニカルガーデンは、1864年に開園した歴史ある植物園。広大な敷地内にはテーマ別の庭園や、温室、噴水、フェスティバルホールなどが広がり、四季折々の植物に囲まれながら、広い園内を散歩したり走ったり、ベンチでゆっくり休んだり、と思い思いの時間を過ごすことができます。国内隋一の約250種以上のツバキのコレクションは、今年は3月末までが見頃だそう。彫刻公園も植物園も入場無料で、何度もふらっと気軽に入れるところも魅力的です。
3月後半頃には、ライン川左岸から右岸までの上空をつなぐケーブルカーが、冬季休業を終えて運行を再開します。このケーブルカーは1957年にケルンのライン川右岸で開催された連邦園芸博覧会に合わせ、ドイツで初めて川の両岸をつなぐケーブルカーとして開設されたもの。天気が良い日に乗れば、ライン川上空から園芸博覧会の跡地に現在広がるライン公園(Rheinpark)と美しい大聖堂を見渡すことができます。
この冬は大聖堂前広場も凍るほど寒く、ますます春が待ち遠しいです
さらに、彫刻公園とフローラからライン川を背にして少し歩くと、プロイセン時代の要塞跡であるFort Xにたどり着きます。第二次世界大戦中はナチス親衛隊の施設や防空壕としても利用されましたが、現在は要塞の内側にバラ園を併設。5月には少し秘密めいた特別な空間で、彩り豊かなバラの花を楽しむことができるはずです。もう少しの間、春を待ちながらこの街を散策するつもりです。
1991年生まれ、ケルン在住3年目。映画とビールと音楽が大好き。最近はケルンの地ビールであるケルシュに合う和食レシピを研究中。



インベスト・イン・ババリア
スケッチブック






