思えば昔から、数字の語呂合わせが好きでした。90年代後半から、こだわり抜いた携帯電話の長いメールアドレスを解析するもの好きでした。私は車への興味はほぼないのですが、アルファベットと数字の並ぶドイツの車のナンバーを見てあれこれ空想するのが趣味の一つです。
ハンザ都市のナンバー一覧はこちら!
ドイツの基本的な車ナンバーは、地域を表す1~3文字のアルファベットと、所有者が自由に選べるアルファベットと数字で構成されています。まずは地域を表すアルファベット。1文字の地域は基本的に大都市です。例えば「B」はベルリン、「H」はハノーファー、「L」はライプツィヒです。しかしこの三つの頭にそれぞれ「H」がつくと「HB」はブレーメン、「HH」はハンブルク、そして「HL」はリューベックに変身。この3都市でピンと来た読者の方は、歴史好きですね!? そう、この「H」とはハンザ同盟都市であったことを表しているのです。ロストックも中世ハンザ同盟都市でしたので「HRO」となります。現在でも「わが都市はハンザであった!」という誇りを垣間見るようで、これを見ると私もなぜかうれしくなります。
さて、ここからが味わい深い、所有者独自のアルファベットと数字の組み合わせです。地域を表すアルファベットの数にも寄りますが、基本的に「AB1234」というように、前半にアルファベット、後半に数字という具合です。自分のイニシャルと生まれた年を組み合わせたり、会社名を表したりと、さまざまな表現を楽しめます。そして街のナンバーを観察していると、人気の組み合わせが見えてくるのです。ロストックの場合は、HROのROをうまく組み込んで「HRO・CK1234(Rock)」、「HRO・FL (Rollling On theFloor Laughing、床を転げまわって笑う)」、「HRO・AR(Roar 、叫ぶ)」、「HRO・SE (Rose、バラ)」などに高い確率で出くわします。
未知の地域ナンバーは本ですぐにチェック!
私がこれまで見た中でかなり驚いたナンバーは、「SE・X Y」(もっと目玉が飛び出るようなのもありますが、ここでは自粛します)。ナンバー選びに制限はないのかなと調べたところ、さすがはドイツ、ナチス関連のアルファベットと数字はドイツ全土で禁止されています。例えば、ナチス親衛隊を表す「SS」、強制収容所を表す「KZ」、「H」がアルファベットの順番から「8」で表現されることから「88( =HH ハイル・ヒトラー)」など。逆に言うと、それ以外ならなんでもOKということなのです。
「ロックで床を笑い転げて叫ぶバラ」が人気のナンバープレートのロストックですが、皆さんの街ではいかがですか? 早くロストックにドイツ中のあらゆる街から再び人々が訪れるようになり、おもしろナンバープレートを発見できる日が来ることを心から楽しみにしています。
ロストック在住。ドイツ北東地方の案内人、そしてシュヴェリーン城公認ガイド。ツイッターで観光、街、大好きなビールについて、ほぼ毎日つぶやいています。
Twitter: @rostock_jp
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