ジャパンダイジェスト

ミステリアスな美人記者の正体とは? from France

ミステリアスな美人記者の正体とは?
 これは本物!? Facebook上に掲載された
 ラシェルさんの顔写真
 写真)Facebook/Rachel Bekerman
ソーシャル・ネット・サービスのFacebookに、「ル・モンド」紙のジャーナリスト、ラシェル・ベッカーマンさんが「フランス人ジャーナリスト」グループを形成した。昨年11月にこのグループがつくられて以来、金髪で若く、好感の持てる顔写真を掲載したラシェルさんのつくったグループに登録したジャーナリストやプレス関係者の数は瞬く間に1200人に。しかしこの美人記者には大きな秘密があったのだ……。

グループ内ではなんの害もない個人情報を載せていたラシェルさん。その一方で「いつも私の情報ばかりを流すのは申し訳ないので、ほかのメンバーの方々からのメッセージも送ります」と、ときどき毛色の変わったメッセージも送っていた。実はそちらの方にこそ、彼女の「真の目的」が隠されていたのである。

1000人以上ものメンバー数を誇る大集団となった、この「フランス人ジャーナリスト」グループ、しかし本家「ル・モンド」が、ラシェル・ベッカーマンなる女性が古今東西、同紙で働いていた事実がないことを発表。身元を追及されたラシェルさんは、ついにFacebook上で「実は私は商業関係のプレスの仕事をしています。『ル・モンド』の記者を語ることで情報に信憑性を持たせたかった」と告白した。つまり、メディア向けに自分の仕事の宣伝となる情報を「ル・モンド」発信として発表していたわけだ。

個人がインターネット上で流す情報に関しては、騙すほうが悪いのか、騙されるほうが悪いのかの判断がつきにくい面があるのも事実。「このやり方は不正直だと思わないのか?」と問われたラシェルさん、「どうして『思う』としか答えられないような質問をするのか?」と返す刀で答えている。こんな強気のラシェルさんだったが、「ル・モンド」の記者ではないことが判明して以来、グループの登録メンバーは激減して今では約400名に。彼女の野望は、大御所「ル・モンド」の前に砕け散った。

「金髪」「若い」「有名紙の記者」という、あまりにあまりな常套手段に群がった1000人以上もの人々とその後の大騒動。いつの世も変わらぬ人間の弱みを巧みに突いた、これも立派なマーケティングなのかも!?

「Le Monde」紙 "Le 'Monde' virtuel de Rachel Bekerman"



 
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