今年1月1日現在、全16州中11州で禁煙法が
施行
さて、ハンブルクのウド・ナーゲル内相もそんな愛煙家の一人。でも泣き言など言っていられないというのが、ほかの人と違うところ。吸いたい時に吸いたい場所でゆっくりと燻(くゆ)らせることができるようにと、なんと自分のオフィスを喫煙室にしてしまったのだ。
禁煙法は各州や各官庁などで詳細が異なるものの、隔絶された空間での喫煙は例外として認める、というものが多い。ハンブルク内務省でも「建物内では7階に特設された喫煙室以外での喫煙は禁止」と例外が定められている。しかも同省ではそれに加え、「自室を喫煙室として申請することも可能。その場合は、ほかの喫煙者のために自室を開放しなければならない」という、さらなる例外も設けられていた。
この点に目を付けたのがナーゲル内相。プライベート空間を犠牲にしてでも、自分のオフィスを喫煙室として開放することを即決、申請して認められた。そうまでして……とも思うが、それもそのはず。彼は1969年からパイプたばこ協会が毎年選出している「今年の愛煙家」の一人に選ばれたこともある、お墨付きの愛煙家なのだ。
ちなみにハンブルク内務省の決まりでは、自室を喫煙室とした者は、オフィスを訪問する人に対し、たばこの煙が気にならないかを確認し、気になると答えた来客にはほかの「禁煙室」を用意しなければならないとなっている。また、たばこの煙が嫌なら、ナーゲル内相のアシスタントであろうが誰であろうが、同相のオフィスに入る必要もない。
なんとも法の網をくぐった感があるが、隔絶された部屋での喫煙という理由で、とにもかくにも合法だ。「喫煙法の意義に反している」など反対意見はいろいろありそうだが、「政治家だけの特別法なんて許せない。私のオフィスも提供するから喫煙を認めて!」という訴えまで出てきたりして!?
「Hamburger Abendblatt online」 "Senator Nagel pfeift auf das Rauchverbot"