日本の教科書でもお馴染みのチャーチルが
架空の人物……?
トンデモない事実誤認だが、驚くべきことにこんな誤解はチャーチルだけに留まらなかった。半数近くの47%が12世紀イングランドのリチャード獅子王を架空の人物と考え、27%がクリミア戦争で活躍した看護婦、ナイチンゲールを、神秘的につくり上げられた伝説だと誤解していることが判明したのだ。
さらにこの恐ろしいカンチガイには逆パターンもあった。実際には伝説上の人物であるアーサー王を65%が実在していた人物と回答。そのほか、コナン・ドイルの小説の主人公であるシャーロック・ホームズが実際にベーカー・ストリート221B番地に暮らしていたと信じる若者は58%、はたまたビートルズの曲中に登場する老女、エリナー・リグビーが実在していたとする者が47%にも上ったという。
日本では近年、若者の学力低下が囁かれ「ゆとり世代」と揶揄されることも多いが、ここ英国でも若者の学力低下、いや正確には歴史離れが思いもかけない猛スピードで進んでいるようだ。この調査を実施したテレビ関係者は、チャーチルなどの実在した人物が存在しなかったとされてしまうのは嘆かわしいことだが、架空の人物が実在していたと認識されるのは、よりリアルで迫力溢れる最新映像技術によるものだと分析し、映像が人々に与える影響力の強さを表しているとした。
確かに映画、テレビ、はたまたゲームなどに囲まれて育った新世代の子供たちにとって、リアルとバーチャルの境目はあいまいになっているのかもしれないが、これはそんなレベルを超えているような……。
日本でも同様の調査を行ったら、坂本竜馬や吉田茂は架空の人物、仮面ライダーやウルトラマン、星飛馬は実在するなどといったトンデモ回答で楽しませてくれるに違いない。
「デーリー・テレグラフ」ほか "Winston Churchill didn't really exist, say teens"