ポップなラベルも人気の理由
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ビオナーデは、バイエルン州にある破産寸前のビール醸造所の失敗作から生み出されたという代物。ビールのように麦芽を発酵させて造るという奇抜な製造方法に加えて、「マグネシウムとカルシウムが豊富」「低糖、低カロリー」、おまけに「オーガニック」ときたら、人気沸騰となるのも不思議はない。お味も「エルダー・ベリー」「ジンジャー・オレンジ」「ライチ」「ハーブ」と豊富に揃っているのが嬉しい。
発売当時は鳴かず飛ばずだったというが、ハンブルクのあるバーで評判になったことをきっかけに、2003年は200万本、04年は700万本、05年は2000万本、06年は7000万本、そして昨年は2億本以上を売り上げるまでに急成長。果実風味の炭酸飲料水としては、国内でファンタ、スプライトに次ぐ売上高を誇るという。
だがここでライバルが出現。果実風味炭酸飲料水の老舗であるジナルコからも「ジナコナーデ」が、ディスカウント・ストアのプルスからは「マルトナーデ」が、アルディから「ビオ・ドリンク」が……と類似商品が続々と登場しているのだ。
もちろんビオナーデも黙っているわけがなく、酷似しているとの理由で他社製品の販売中止を訴えている。ところがライバル会社も負けてはいない。ビオナーデには内容量表示に記されているほど十分なマグネシウムとカルシウムが含まれていないとの訴えが出され、裁判所は同表記の修正を求める判決を出した。
最近では追い打ちをかけるように、あのコカ・コーラ社までもが30歳以上のオトナを対象にした甘さ控えめの炭酸飲料水を発売すると発表。こちらはオーガニックではないが「ブラッドオレンジ・サボテン」「レモン・ビャクシン」「グリーンマンゴー・キウイ」と多様な味が用意されていて、やはりビオナーデを意識した対抗商品だ。強敵の出現に、さあ、元祖ビオナーデはどう出る?
「Die Welt」紙 "Bunter Bionade-Rausch"