Hanacell

電話戦国時代に突入 from France

電話戦国時代に突入
サイフ忘れても電話忘れるな
もともと、どんな些細な話題も討論のテーマに変えてしまうほど、おしゃべり好きなフランス人。対面はもちろん、電話にしても待ち合わせ時間の確認など、ちょっとした連絡のつもりがたちまち長電話となり電話が苦手な人にとっては、いい迷惑。でも「ごめん、電話代が高くなってしまうからもう切るね」という言い訳はこの国では通用しない。なにせフランスでは電話会社間の競争が激化し、「通話料が無料」の電話戦国時代に突 入しているのだ。

そもそもの始まりは、1999年末に、携帯電話大手SFRが「夜8時以降と週末休日の電話かけ放題プラン」を出したことにある。それ以前は、国営電話局フランス・テレコム系の携帯電話の一人勝ちだった。ところが、SFRが新サービスを出したことで、競争が激化し、数年前からはついに家庭用固定電話も基本料のみ通話料無料の時代に突入した。

その「効用」あって現在、フランス全県の電話加入者はおよそ4000万人。一時期、携帯電話の登場で加入者は減少したが「ADSL接続、TV100局、電話通話料無料」の3拍子パックの値段が月々15~30ユーロ代に落ち着きはじめ、ここ数年加入者数はさらに上昇中らしい。

さて、利用者にとっては良いことづくめの無料通話だが、電話会社にとっては大きな悩みのタネ。時代の波にのまれて各社こぞって無料サービスを出してはみたものの、採算がどうにも合わない。SFRなどは、一時期加入者数こそ増えたものの、利用が無料通話時間帯に集中し、中には週末に24時間以上通話をしていた人も登場したため、SFR自身が破格の値段で契約を買い取るという噂も流れたほどだ。

いつまで続くのか、この電話戦国時代。日本では音信不通でも「便りがないのは元気な知らせ」などというが、フランスでは1日4回の電話が3回に減っただけでも騒ぎ始めるほど。「ケチ」+「おしゃべり」という2つの特性を併せ持った人種、いやいや人とのコミュニケーションを大事にする国民にとっては、決して終わってほしくない時代であることだけは間違いない。

「Le Parisien」紙 'Téléphoner sur Internet: les Français adorent'



 
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