「ウホッウホッ」
親は人間、僕ゴリラ!
♪はじめ人間ゴゴンゴーン♪で元気よく始まるテレビ・アニメと言えば、「はじめ人間ギャートルズ」(あっ、年代がばれますね)。さて、このアニメの中では、原始人間のゴン一家とゴリラのドテチンが家族さながらに暮らしていたが、それがいよいよ現実となったようだ。
ゴリラと人間の家族が誕生したのは、飼育動物の元々の生息環境をできる限り再現しているという、ケント州にあるハウレット動物園。この動物園で生まれた6カ月の雌のコウキ(Kouki)ちゃんと10カ月の雄のオウディキ(Oudiki)君は、それぞれ親ゴリラが育児を放棄したと見られている。
そこで登場したのが、飼育係のドナ・ハニーさん(母親役)とマット・スタッグさん(父親役)の2人だ。面白いのは、2匹のゴリラの赤ちゃんが将来は野生に戻れるよう、ドナもマットも出来るだけ人間らしからぬ行動を取るようにしているということ。冒頭に挙げた「ギャートルズ」では、ゴリラのドテチンが人間に近い暮らしをしていたが、この動物園では、ゴリラの赤ちゃんの将来を考えて、親代わりの人間がゴリラに近い生活をすることになったようだ。
例えば、「ウホッウホッ」というゴリラの鳴き声を真似たり、餌を求めてわらをあさったり……。もちろん移動時は、本物のゴリラのごとく2匹を身体にぶら下げているとか。ドナは25歳のうら若き女性なのに、コウキちゃんとオウディキ君のためにゴリラの真似を毎日しているなんて、これぞ母性本能のなせる技か?
しかし、子供はいずれ巣立つもの。ハウレット動物園は親に見捨てられたこのゴリラ2匹をアフリカに戻そうとしているのだ。動物園の広報担当者は「本当の家族のようにドナとマットになついているのに、離ればなれにするのは残酷ですが、ゴリラを野生に戻すチャンスであると考えています」と発言。コウキちゃんとオウディキ君を出来れば今年中に西アフリカのガボンに返したいと明らかにし た。そこで気になるのは、ドナとマットの行方。2人も一緒にアフリカへ行ったりして?!
「BBC Online News」 “Baby gorillas raised by zoo pair”