ジャパンダイジェスト

パリのホームレスはひと味違う! from France

パリのホームレスはひと味違う!
パリ、サンマルタン運河に住む
ホームレスたち
パリ15区、リノア通りのアーケード下に、ドゥニーズという65歳のホームレスの女性が住んでいる。彼女は、時折こぎれいにお化粧などして散歩していることから、住民からは「プリンセス」という愛称で呼ばれていた。しかしこのたび、その「プリンセス」の意外な事実が明らかになった。

「プリンセス」が15区の路上を住処にするようになって25年。特に交通の妨げになるわけでもなく、住民に迷惑をかけているわけでもないため、市も警察も立ち退きを強制せず、彼女は放置状態だった。

だがそんな「プリンセス」の身辺に変化が訪れた。15区に道路補修工事の計画が持ち上がり、区のホームレス担当職員が彼女の住処を移動することになったのだ。しかし職員がその際、彼女の持ち物整理を行ったところ、なんと小銭や少額紙幣など合わせておよそ4万ユーロが見つかったそうだ。いかに路上生活者が、家賃も税金も納める必要のないその日暮らしをしているとしても、単純計算で彼女は、15区に住み始めて以降、毎年およそ1600ユーロも貯金していたことになる。また今回の「家宅捜索」によって、「プリンセス」はブルターニュ地方出身であることもわかり、関係者は、この「タンス貯金」は彼女がいつか故郷に帰るために貯めていたものだったのではないかと考えている。

現在「プリンセス」はナンテールにあるホームレス専用施設を仮住まいとしているが、パリ市は彼女への今後の対応に頭を悩ませている。なぜなら、今回の騒動で彼女のことが新聞やテレビで大きく報道されたため、万が一、彼女が路上生活者に戻った場合、巨額の貯金を狙った暴漢に襲われる可能性が高くなったからだ。

長年ホームレスとして生活してきた人の多くは社会復帰が難しく、区などがお膳立てをしても、数カ月もたたないうちに路上生活に逆戻りするのが通例とか。現在、区職員はブルターニュにいる彼女の親族に連絡を取り、今後の対応を相談しているという。果たして 「プリンセス」は、これからどんな人生を歩んでいくのだろう。

「Le Parisien」紙 “La folle histoire de la SDF aux 40000€”



 
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