ジャパンダイジェスト

「人食いザメ」ニュースの意外なてんまつ from UK

「人食いザメ」ニュースの意外なてんまつ
人食いザメに一杯食わされた!?
去る数週間前、「英国南部に人食いザメ現る」という見出しが新聞紙上を賑わした。コーンウォール州のケビン・キーブルさんが、ニューキー近辺で釣りをしていたところ、乗っていたボートのすぐそば で「ジョーズ」ことホホジロザメを目撃したという話だ。

このニュースは、国内きってのタブロイド紙「ザ・サン」に写真付きで大々的に掲載され、世界中を駆け巡った。熱帯の海に生息する人食いザメ「ジョーズ」が英国沿岸で目撃されたことで、もっともらしく地球温暖化の弊害を説く専門家がいたかどうかは定かではないが、英国サーフィンのメッカ、ニューキーからサーファーの数が激減したことは想像に難くない。

ところがこの度、この報道自体が真っ赤な嘘であることが判明した。と言っても嘘をついたのはマスコミではない。そう、報道関係者が一般読者であるケビン・キーブルさんのガセネタにまんまと一杯食わされてしまったのだ。

キーブルさんは、ニューキーのナイトクラブに勤める男性。南アフリカでのフィッシング旅行中に撮影した「ジョーズ」の写真を「冗談のつもり」で地元紙「ニューキー・ガーディアン」(発行部数7000部)に提供し、こんな馬鹿げた話をまともに受ける記者はいないだろうと「ニューキー沖で人食いザメを発見した」と、うその証言した。ところが、このニュースを嗅ぎつけたサン紙の記者が記事を採用し、今回の騒動に繋がったというわけだ。

「お金ももらってないし、まったくの冗談のつもりだった」とはキーブルさんの弁。サン紙は今回の騒動に対しノーコメントを通しているが、ある筋によると、このニュースを掲載した号は「飛ぶように売れた」そうだ。また、地元観光局はこのガセネタに対し、観光客が減ったと怒るどころか「ニューキーの知名度アップに繋がった」と大喜びしているという。

なんともお騒がせなガセネタだが、ガセとは言え、経済効果は高かったようだ。

「Guardian」紙 “I can't believe the story went so big. I didn't even get any money out of it”



 
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