ジャパンダイジェスト

ナメクジ退治にカモ貸します from Germany

ナメクジ退治にカモ貸します
注:じっくり見ないでください
ああ、今日も発見してしまった!あそこの葉っぱの下にチラっと見えるのは、アイツに違いない…。ガーデニングをこよなく愛する人たちの最大の「天敵」、そうナメクジです。「早く私の視界から消えておくれー」と、祈るしか術がなかった皆さん、敵から逃げる時代はもう終わったのです。

バルト海沿岸、グリュックスブルクにあるエネルギー体験パーク。そこで人工産物の研究をするヴェルナー・キウィットさんは、じめじめした天気が続いた影響で例年になく大量発生しているナメクジの退治に、同パークで飼育されているカモを貸し出すことを思いついた。えさの好みにはうるさくないといわれるあのハリネズミでさえ「苦すぎる…」とソッポを向くナメクジが、カモたちは実は大好物。「ヌメヌメしていて、すごく飲み込みやすい」そうだ…。

ドイツでここ数年、幅をきかせているナメクジといえば、オレンジと言うか、赤黒いカラーがトレードマークの「コウラクロ(甲羅黒)ナメクジ」。1970年代に植物を輸入した際、一緒にくっついてきた南欧生まれだ。国産ナメクジの倍以上という400もの卵を産むという、なんとも厄介な種だという。

「儲けにはならないけどねえ」と言いつつも、我ながらいいアイデアがひらめいたとばかりに顔をほころばせるキウィットさん。数日間、選りすぐりの食いしん坊カモ2羽を貸し出して料金も25ユーロと案外手ごろだ。ただ誰もが借りられるというわけではなく、庭が柵で囲まれていて、夜間用の小屋が提供できることが条件。さらには、シェパード犬を飼っていない家の方が望ましいとか。

問い合わせは全国から殺到しており、すでにベルリンやミュンヘンにカモたちは「派遣」されたという。雇い主たちからの評価も上々で、カモの思いがけない可愛さに「ペットにしたい」という声も出ているそうな。でも、「うちでもカモの力をお借りするか」なんて、これまでの長くつらかったナメクジとの対決に終止符を打とうと本気になってる人に、キウィットさんから一言だけ。「成果は保証できないよ。うちの子たちはナメクジも好きだけど、草花も大好きだし。なんてったって我がままだからね」

「Berliner Mogenpost」紙ほか “Rent an Ent”



 
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