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ビクトリア時代の子どもは働きバチだった from UK

ビクトリア時代の子どもは働きバチだった
「オリバー・ツイスト」の世界は
誇張ではなかった!
「クリスマス・キャロル」「オリバー・ツイスト」を世に送り出したビクトリア時代の文豪といえば、チャールズ・ディケンズ。彼の作品には、貧困や搾取をテーマにしたものが多いが、この度、ビクトリア時代の子ども像について述べられた900ページにも及ぶ書類がインターネット上に掲載され、ディケンズの描くビクトリア時代の貧困がまさに現実そのものであったことが証明された。

話題になっている書類は、1841年に児童労働委員会に提出された繊維業における労働条件に関するもの。当時の労働環境や労働者の権利についての争いなどが綴ってある。

その資料には、児童労働の様子が事細かに記されている。24時間シフトで寝る暇もなく働く9歳の少女は、衣服を乾燥させるために高温の工場を裸足で駆け回り、別の10歳の少女に至っては、朝から晩まで裸足で工場を駆けずり回って働いていたにもかかわらず、わずかな賃金を親にピンはねされ、自分の給与額を知らないといった始末。報告書をまとめた人物は、これらの状況改善を訴え、10歳未満の児童の雇用禁止、週58時間以上の労働の禁止といった法律の施行を目指したが、雇用者側からの猛反対を受け、児童の24時間連続労働は月1回に限るという、現状を鑑みるとなんとも情けない約束を取り付けるのみという結果に終わったようだ。

今の世の中なら、大問題に発展するのが間違いなしの最悪な労働条件だが、ビクトリア時代の人々にはこれが普通だった模様。同資料には、未成年労働者への聞き取り調査の結果も記されているが、朝7時から深夜まで働きづめの少女は「仕事は大好き。疲れることもないわ」と答え、くだんの「ピンはね」少女までそれに同意している。また驚くべきことに、彼ら児童労働者は、当時仕事を持っていなかった少年少女に比べ、健康であるという結果まで報告されているのだ。

刑務所や地下鉄など、さまざまな場所で働く人々が、労働条件を不服としてストを起こしている昨今。ビクトリア時代の子どもたちのように働けとは言わないまでも、現代に生きる幸せを少しは感じてほしいものだ。

「インディペンデント」紙 “Back-breaking work, 17-hour days, minimal pay: a glimpse inside the factories of Victorian Britain”



 
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