ジャパンダイジェスト

アンディとともに過激イスラムに立ち向かえ from Germany

アンディとともに過激イスラムに立ち向かえ
マンガで宗教問題をお勉強
大人も子どももこぞってマンガを読むマンガ大国日本ならば、マニュアルはもちろん、政府が発行する白書にまでマンガを使って「分かりやすく」説明するのは当たり前。一方、「マンガ後進国」を自負するドイツでも、昨今では日本のマンガが若者を中心にじわじわと人気を集めており、それにあやかろうと青少年を過激イスラムの手から守る手段として、お役所が日本風コミック仕立てのパンフレットを作成し、話題を集めている。

ノルトライン=ヴェストファーレン(NRW)州の内務省が生んだ正義のヒーロー、その名もアンディ。15歳の、バスケットボール好きで、どこにでもいそうなドイツの現代っ子だ。アンディは、友人のムラトが外国人であるがゆえに職業訓練先を見付けられず、彼をテロの手先として使おうとたくらむ過激イスラムの指導者に洗脳されて変貌していく様子を目の当たりにする。

友人のそんな姿が心配になるというだけでなく、ムラトの妹、アイシェに恋しちゃったからにはますますムラトを放ってはおけない。仲間から遠ざかろうとするムラトを引き戻すべく、手を尽くすアンディ。そんなアンディに暴力で対抗する過激イスラム組織の考え方にムラトも疑問を抱くようになり、最後はめでたく悪の手から逃れる、という筋書きだ。

ドイツ人のペーター・シャーフ氏によるマンガで、若者が手にとりやすいよう親しみやすいデザインになっているうえ、イスラム教と過激イスラムの違いやジハード(聖戦)など日頃よく耳にする言葉も詳しく解説されている。

製作にあたってNRW州は5人のイスラム専門家とストーリーのコンセプトを練ったという。インゴ・ヴォルフ内務相は「アンディは反イスラムなのではなく、逆にファナティズムの恐ろしさを説く存在」と説明している。

過激イスラムといえばインターネットなど「西洋の技」を駆使した扇動的なプロパガンダで社会からはみ出した人々を取り込んでいくことで知られるが、今回のNRW州の試みは、マンガという「東洋の技」で対抗しようというもの。果たしてどちらが若者の心を捉えるか。

「Westdeutsche Zeitung」紙 "Andi kaempft gegen Islamisten"



 
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